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スポーツビジネスをするなら絶対に知っておきたい「スポーツの5つの特徴」【商品開発やマーケティングに活かせる】

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須賀 優樹
「ゼロからのスポーツビジネス入門」の運営代表として、「世界イチわかりやすいスポーツビジネス・マネジメント」を情報発信。元産業能率大学教員として大学生にスポーツマネジメントを教えた経験も。スポーツ業界就職や起業相談、スポーツ組織向けコンサルティングも好評。

 

今回は、「スポーツ」というものを「商品」としてみた時に、どのような特徴があるのかということをご紹介していきます。

ここでの「スポーツ」とは、「スポーツそのものを売る」ビジネスと言う意味です。

「スポーツそのもの」を商品として売っている

「スポーツを通じて」何かを売っている

「スポーツビジネス」の大きな分け方としての2種類

今回は①の、プロの選手などがスポーツをすることによって生み出される「試合」そのものや、イベントに参加すること自体が「商品」という場合を取り上げていきます。

つまり、「スポーツシューズ」や「テニスラケット」のような「カタチのあるモノ」ではなく、「試合をみる」や「イベントに参加する」といった「カタチのないモノ」を売る場合のスポーツビジネスのことです。

こうした「スポーツ」の特徴を理解しておくことは、ビジネスにおけるスポーツマーケティングスポーツマネジメントといった活動に対してもとても大切になってきます。

スポーツ」を売るということは、ジュースを売ったり、ケーキを売ったり、洋服を売ったりするビジネスとは明らかに違うからです。

ではどのような特徴があるのか、早速みていきましょう!


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「スポーツ」を「商品」としてみた場合の5つの特徴

スポーツ」を商品としてみた場合の特徴は、以下の5つとされています。

少し難しい言葉が出てきますが、1つ1つ解説しますので安心して続きをお読み頂ければと思います。

無形性 (むけいせい)

同時性 (どうじせい)

消滅性 (しょうめつせい)

異質性 (いしつせい)

多様性 (たようせい)

「スポーツ」を「商品」として扱う場合の5つの特徴

「スポーツ」は触ることができない! (無形性)

無形性とは、手にとって触ることができないという意味です。

経済学」では、こうした人間の手では直接触ることができないが、お金で買うことはできるというものをサービスという呼び方をします。

「サービス」というと、「タダであげます」とか、「サービス残業」といった言葉のように、無償の労働(ボランティア)のような意味で使われてしまう場合がありますが、本来の意味ではありません。

スポーツの「試合」というものは、手で触ることができません。触ることができないので、「試合」自体を家に持って帰るということもできません。

さらに、スポーツ用品や洋服のように、「お店の中で試しにちょっと使ってみよう」とか「サイズが合っているかどうか試着してみよう」といったこともできません。

試合を観た観客やファンが得るものは、「感動」とか「経験」とか「体験」といった、人間が感じる「気持ち」の部分です。

したがって、人によって「面白かった」とか「あまり面白くなかった」というような、商品の評価の差がつきやすいものでもあります。

試合を作る人たち(球団やクラブ)は試合の質」をどうやって一定以上に保つかが重要になってきます。

つまり「あのチームの試合はいつ行っても面白い」とか「今日は負けたけど来てよかったよね」思ってもらえるように、マーケティングやマネジメントを行っていく必要があるのです。

そうした部分が、「スポーツそのものを売る」というビジネスの難しさでもあり、面白さでもあります。

今回は詳しくご紹介しませんが、こうした部分を徹底的に追求してビジネスをしているのが、アメリカのプロスポーツリーグです。特に「NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)」では、「どのチームが勝つか分からない、優勝するか分からない」という状態を、「リーグ」が意図的に作り出すことによって、ハラハラ、ドキドキする「試合」を生み出すことに成功しています。

残念ながら、日本のプロスポーツである「プロ野球」や「Jリーグ」といった組織は、そこまでの徹底したマネジメントをしていないため、「強いチームと弱いチームの差がはっきりしやすい」という構造になってしまっています。
※NFLでも強いチームとそうでないチームの差は多少はあります。

「スポーツ」は作った瞬間に買われる!(同時性)

同時性」というのは、「モノを作るって売ること」と「モノを買って何らかのメリットを受け取ること」が「同時」に起こるということです。

「試合」という商品を球団・クラブが「作って売る」ことと、そうして作った「試合」を観客が楽しむ、つまり試合を「買って楽しむ」ということが、同じ時間の中で行われるということです。

少し分かりにくいかもしませんので、コンビニで売っているような商品で考えてみましょう。

ちなみに、コンビニなどに売っている「手で触れる商品(持って帰れる商品)」のことを「経済学」では「財 (ざい)」と呼びます。

コンビニで売っているジュースやお菓子は、「工場」で作られて(生産)、コンビニに運ばれてきます。(流通)

したがって、コンビニの棚に並んでいる商品は「何日か前に」もう作られているのです。

みなさんは、「工場」でジュースが「作られた瞬間」にそのジュースを「買う」ということはしませんし、できない場合が多いです。

工場は、モノを「作る」ところであって、「売る」ところではないからです。

スポーツの「試合」を考えた時に、「試合」を作っている「工場」はどこでしょうか。

「試合」を売っている「お店」はどこでしょうか。

それは、どちらも「球場・スタジアム」なのです。

球場は、「試合を作り出す」という「工場」の役割と、「試合」をファンに「売る」という「お店」の役割を両方持っているのです。

こういった「商品」は、ほかには「音楽のコンサート・ライブ」といったものや、「介護・保育」などもそうです。

「介護・保育」も、介護士・保育士と、高齢者・子どもが「同じ場所」に「同じ時間」に一緒にいないと「対人支援」という「サービス」を提供できないからです。

スポーツの試合では、選手の白熱したプレーとファンの熱狂的な応援などが「同時に起こる」ことによって、その場でしか体験できない一体感や感動が生まれます。

試合」を商品とするスポーツビジネスにおいては、球団と球場は「工場」と「お店」という2つの役割を同時にこなさなければならないという点をよく理解して、マーケティングやマネジメントを行う必要があるのです。

「スポーツ」は作ったらすぐ消える! (消滅性)

消滅性」というのは、上でご紹介した「同時性」と関わることですが、「試合」はスタジアムやアリーナで「作られた瞬間に消えてしまう」のです。

試合をテレビなどで録画をして何回も観るということは可能ですが、試合中に全く同じプレーが何度も発生するということはありません

試合は、「観た」瞬間に「過去のもの」となってどんどん消えていき、また新しいプレーが生まれます。

試合」はコンビニのジュースやお菓子のように、「とっておくこと(保管・在庫)」もできませんし、「つまらないから」とか「負けているから」といっても、他の試合と「交換」をするといったこともできません。

この一瞬しかない」と観客が感じるからこそ、「試合」によって感動を生みだすことができるのです。

スポーツマーケティング、スポーツマネジメントでは、「試合」は作った瞬間に「消えてしまう」からこそ、ファンに「試合から目を離させない」ような緊張感や、一体感をどうやって味わってもらうかが大切になります。

競技によっても「消滅性」という特徴をどうやってマネジメントするか、は異なってきます。

例えば、「サッカー」という競技は1試合で得点が入る機会が1回か2回程度しかありません。

試合の時間も「90分」という制限があるため、多くの観客や視聴者は「一瞬たりとも目を離したくない」という心理になります。

したがって、試合中はなかなか「ジュース」や「グッズ」といった商品を売ることができません。「試合前」や「ハーフタイム」、「試合後」でいかに「稼ぐ」かが大切になってきます。

一方、「野球」という競技では「攻撃のイニングと守備のイニング」が分かれているため、自分が応援しているチームが「守備のイニング」になると、トイレに行ったり売店に行ったり、スマホをみたりする人が多くなります。

つまり、「サッカー」に比べると「試合中」にも色々なモノを売る「チャンス」が多いスポーツと考えることができます。

このように、「競技の特徴」というものをよく考えてビジネスをしていくことも、「スポーツビジネス」ならではの面白さです。

「スポーツ」は商品の形が毎回違う! (異質性)

「異質性」というのは、作った商品の形が毎回違うということです。

同じジュースを買ったのに毎回味が違うとか、量が違うとか、異物が入っているとか、そういったことが起きたら大変ですが、「スポーツ」という商品ではそれが当たり前のように起きます

スポーツの「試合」で言えば、同じ対戦カードでも、「毎回試合の結果が違うということです。

これは「チームスポーツ」に限らず、陸上格闘技といった基本的に「個人」で行うスポーツにおいても一緒です。

最近では、スポーツは「エンタテイメントビジネス」であるということを言われるようになってきました。

しかし、「映画」や「ミュージカル」といった他のエンタテイメントと明らかに違う点は、この「毎回結果が違う」ということです。

同じ「映画」を観ているのに、観るたびに毎回登場する人物が変わるとか、事件に巻き込まれる人物が変わるといったことはあり得ません。

映画」は「同時性」という視点から言えば、「生産と消費」は同時ではありません。

映画」はすでにスタジオという名の「工場」で「作られたもの」だからです。

ミュージカル」は「同時性」という視点からは、役者が「その場」で演技をするものなので「生産と消費」は同時ですが、同じシリーズの中で「毎回結果が違う」ということはあり得ませんので(決められた台本にそって演技をするので)、「異質性」はありません。

例えば、ディズニーランドのショーで、キャラクターの演技がそのときによって成功したり失敗したりということはないでしょう。

このように、スポーツの「試合」は結果が分からないからこそ、「筋書きのないドラマ」などと呼ばれるのです。

今日は勝つかもしれない、負けるかもしれない」とか「あの選手は出場するだろうか」といったファンの心理をうまくマネジメントしていくことも、スポーツビジネスにおいては重要なことです。

「スポーツ」は「商品」としての「質」を保証できない!(多様性)

多様性」というのは、今まで説明してきた「スポーツの試合」という「商品」の特徴をまとめたような意味になります。

つまり、試合というのは、「手で触ることができず」「その場で消えてしまい」「交換することができず」「毎回結果が違ってしまう」ため、「商品としての品質」が一定ではありません。

工場で作っているジュースやお菓子であれば、作っている途中にゴミが入ってしまったとか、パッケージが破れてしまった、といったことがあれば、それは「不良品」として捨てられ、私たちが買いに行くコンビニやスーパーには届きません。

映画」や「音楽」といったものも、セリフを失敗したとか演奏ミスをしたということであれば、スタジオで何回も撮り直すことができます。

ところがスポーツの「試合」は、ときに選手の「ミス」が出たり、負けてしまったりして不良品」を生み出す可能性もあるのです。

試合」や「手にとれない」サービスを売るビジネスでは、そうした「不良品」をお客さんに売ってしまう可能性があることも、よく理解しておかなければなりません。

「プロ野球」では、1990年代ごろまでは、試合に負けるとファンがメガホンなどをグラウンドに向かって投げつけるといったことがよくありました。

ファンはチームが負けたことによって相当不快な思いを買ってしまったことになります。

近年では、そうしたファンの行動も非常に少なくなったように見受けられます。

それは「ファン」の観戦マナーが向上したということもありますが、色々な球団が負けても来てよかったと思ってもらえるような、スポーツマーケティング、スポーツマネジメントの成果が出ているのです。

このように、「スポーツをみせるビジネス」、つまり「試合」が商品であるスポーツビジネスというものは、「試合の結果」が毎回変わることによって、商品としての質も毎回変わってしまいます。

「勝てばファンが増える、負ければファンが減る」といった状況では、とても不安定なビジネスとなってしまいます。

それを「いかにマネジメントするか」ということが、スポーツマネジメントの大きな役割の1つです。

まとめ ~スポーツは変幻自在・活用できるかは自分次第~

今回は、\「スポーツ」の特徴ってなに? 「売る」視点からみたスポーツ/ というテーマで、特に「スポーツをみせる」ことによってお金を稼ぐビジネスをする際の「スポーツの特徴」を考えてみました。

おさらいすると、「スポーツ」を「商品」として考える場合には、

無形性 (むけいせい)

同時性 (どうじせい)

消滅性 (しょうめつせい)

異質性 (いしつせい)

多様性 (たようせい)

「スポーツ」を「商品」として扱う場合の5つの特徴

という5つの特徴がありました。

「試合」を商品とする「スポーツビジネス」においては、「スポーツ」の特徴をよく理解することが大切。

スポーツは、ときに「不良品」を売ってしまうこともある。しかし「試合の結果」が「不良品」だったとしても、ファンが「スタジアムで体験したことすべて」を不良品にしないようなスポーツマーケティングやスポーツマネジメントが非常に大切になってきている。

というのが今回お伝えした、大切な内容になります。

勝ち負けに関係なく、このクラブが好き! このイベントが好き! と感じてもらえるようなスポーツビジネスをしていきたいですね!!


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