海外クラブが日本に進出してくるワケ【欧州編】

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近年、海外のサッカークラブが、日本でのビジネス活動に力を入れてきています。

みなさんも、町の中で、バルセロナやレアルマドリードなどの海外のサッカークラブのレプリカユニフォームなどを着ている人を見かけることがあると思います。(日本人としては、Jクラブや地域クラブのユニフォームを着てほしいものですが…)

「グローバル化」というものが、色々なビジネスをする上でとても大切な要素になってきていますが、それはスポーツビジネスも例外ではありません。

そこで、今回は、なぜ海外のサッカークラブが日本でビジネスを行うのか、また、実際にどんなビジネスを行っているのか、といったことを少しご紹介したいと思います(今回はヨーロッパのクラブに絞ってご紹介します)

海外サッカークラブで日本に進出しているクラブは多数ある!?

日本にはヨーロッパや南米など、多くのクラブが進出していますが、その数は20を超えています。

そのうちの半数以上はヨーロッパのクラブで、スペインだけでも5クラブ以上が日本でサッカースクールやキャンプを開催しています。

2017年には、Jリーグとスペインリーグの「ラ・リーガ」が戦略的連携協定を結びました。スペインのリーグやクラブも日本という「マーケット(市場)」をビジネスチャンスとして捉えているのでしょう。

ちなみに、日本が提携している海外サッカーリーグは、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、イラン、マレーシア、カタール、オーストラリアです。

サッカーの強豪国が揃うヨーロッパのリーグとは、これまで1つも提携を結ぶことができませんでしたが、ラ・リーガとの提携は今後の日本サッカーにとって大きなきっかけになりそうです。

海外サッカークラブが日本に進出する目的と背景は?

では、海外のサッカークラブがなぜ、日本でサッカースクールやキャンプの開催、グッズ販売をするのでしょうか?

理由は簡単で、クラブの認知度やイメージをアップさせる「ブランディング」と「マーケティング」が主な目的です。

日本でもFCバルセロナやレアル・マドリードのユニフォームを着ている人は子どもから大人まで多くいますよね。

それは、日本に多くのファンがいて、グッズが多く売れている証拠です。

つまり、需要(ニーズ)があり、ビジネスのターゲットになりえるということです。

また、元日本代表の乾貴士選手が所属したレアル・ベティスは、同選手の加入をきっかけに日本語版のSNSアカウントを開設するなどしています。

このように、日本人選手の獲得がきっかけで日本に目を向けるようになることもあるのです。外国人選手の獲得は戦力アップだけではなく、その国からのファンの獲得といったビジネス的なことにもつながってきます。

こうした海外戦略は、ヨーロッパのサッカークラブだけではなく、アメリカのメジャーリーグ(MLB)やNBA(バスケットボール)などでもよく行われるやり方です。

「プレーヤー」としての実力を評価して海外の選手を獲得するのはもちろんですが、その国の有名選手を獲得することによって、その国のファンが試合中継を見てくれたり、グッズを買ってくれたりするので、大きな売上増が見込める、ということですね。

日本に進出している欧州のサッカークラブ8選

では、ここから実際に日本に進出しているヨーロッパのサッカークラブを8つご紹介していきます!

10年以上前から日本に進出!超名門の「FCバルセロナ」

世界一のサッカー選手と称されるアルゼンチン代表リオネル・メッシの所属するFCバルセロナ。

同クラブは2007年に「バルサキャンプ」を開催し、2009年には福岡で日本初となるバルサアカデミーを開校しました。

現在では、福岡、奈良、横浜、葛飾、品川大井町とスクールを展開しています。

バルサキャンプも日本各地で開催しているとのことです。同キャンプやスクールは株式会社Amazing sports lab japanが運営しています。

同社はバルサキャンプ以外にも山梨県でスペイン人コーチが常駐する中学生のクラブチームの運営やスペインへのサッカー留学の斡旋なども行っています。

また、同社の代表取締役の浜田満氏は現在、JFL(日本4部リーグ)に所属する奈良クラブの社長も務めています。

詳細はこちら→https://aslj.net/

育成力はバルサやレアルと同等以上?「RCDエスパニョール」

RCDエスパニョールは元スペイン代表のアンドレス・イニエスタの親友で2009年8月に心筋梗塞で亡くなったダイエル・ハルケが所属していたクラブです。

また、元日本代表の中村俊輔選手も所属経験があります。

同クラブは育成に定評があり、スペイン国内では、育成年代の大会は同クラブが多くのタイトルを獲得しています。

エスパニョールは2017年から埼玉と東京でアカデミーを運営しています。

東京校は株式会社トゥエレス・バリエンテというバルセロナやマドリードへのサッカー留学、遠征のサポートを行う会社が運営しているとのことです。

エスパニョールキャンプも開催しており、スペインのエスパニョールの下部組織のコーチ陣が巡回して指導にあたっています。

また、今年度からは定期的にスペインからコーチが来日し、指導にあたるとのことです。

なお、埼玉のアカデミーは今年度からサッカー協会に登録し、公式戦にも出場し、東京のほうでも協会への登録を見据えたセレクションを今後行っていくとのことです。

エスパニョールジャパンアカデミーの詳細はこちら→http://www.rcd-espanyol.com/

バルサと肩を並べる超ビッグクラブ「レアル・マドリード」

レアル・マドリードといえばCL3連覇も果たした世界有数のビッグクラブですね。

そんな同クラブは2012年に100年の歴史を誇るファンデーションキャンプを日本で初開催しました。

現在、同クラブの下部組織でプレーする中井卓大選手もこの2012年のキャンプがきっかけで下部組織に入団を果たしました。

そして、2013年には千葉でスクールを開校し、首都圏や愛知、宮崎で計6校運営しています。

キャンプやスクールはクラブが設立したレアル・マドリードと一般社団法人グルーバルフットボールマネジメントがライセンス契約を交わし、運営しています。

現在、スクール生は全国で750名を超えているとのことです。

やはり、「レアル・マドリード」の名前は日本においてもバツグンのブランド力を持っていますね。

レアルスクールの詳細はこちら→http://frmjapan.com/

過去には本田圭佑も所属!ACミラン

元日本代表の本田圭佑選手も所属したイタリアのビッグクラブ、ACミラン。

同クラブは2011年に愛知県でスクールを開校し、現在は同県内だけでも4校運営しています。

そして、千葉や東京でもスクールを運営しているとのことです。

さらに、ミランキャンプは2006年から日本で開催しており、バルセロナ同様、日本には早い段階で進出しているクラブの1つです。

愛知や千葉、東京とそれぞれ別の法人がACミランとライセンス契約を結んでスクールなどを展開しているとのことです。

つまり、コンビニエンスストアのような「オーナー制度」によるビジネスのため、あなたも「ACミランスクールのオーナー」になれる可能性があるということです。

ちなみに、関係者から聞いた話では、東京などの首都圏ではなく愛知県といった地域でスクールを開催する理由は、競合となるスクールがあまりないから、という理由のようです。

東京を中心とした都心は、人口も多いのでサッカー少年少女も多いですが、その分、サッカースクールも山ほどあります。

一方で、地方に行けばこどもの数自体は首都圏に比べると少ないものの、サッカースクールも少ないので、うまく行けば独占的に市場を囲い込むことができる、という考え方です。

「サッカースクール」という事業ひとつ取っても、クラブごとに様々な戦略を持って事業をしていることが分かりますね。

ACミランの詳細はこちら→https://www.milanjuniorcamp.jp/

長友佑都も長年在籍!ミランの永遠のライバル「インテル」

インテル・ミラノは元日本代表の長友佑都選手も2011年から2018年まで在籍したビッグクラブです。

同じミラノを拠点とするACミランとは永遠のライバルと称されています。

そんなインテルは、2012年にアカデミーを日本で設立し、東京の府中市でスクールやチーム活動をしています。

夏にキャンプを開催する年もあるようです。

また、インテルは専門学校のテクノスカレッジ東京工学院と提携しており、スクールの活動も同校のグランドで行っています。

東京工学院では、サッカービジネスを学ぶこともでき、インテルでの研修なども行われています。

インテルも日本でのビジネスに力を入れているクラブの1つですね。

ちなみに、長友佑都選手もご自身でサッカースクール事業をされています。

クリスティアーノ・ロナウドも所属!セリエA8連覇中の「ユヴェントス」

ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド選手が所属し、驚愕のセリエA・8連覇中のユヴェントス。

そんな同クラブのアカデミーは2017年4月、東京で開校しました。

現在、ユヴェントスのアカデミーは世界32ヶ国に60校あり、「JUVENTUS ACADEMY WORLD CUP」も行うなどしているとのことです。

同校はスポーツにおけるマーチャンダイジングやマーティングに特化した事業を行う株式会社プロフィットスポーティングが運営しています。

ユヴェントスアカデミーでの採用は現在行っていないようですが、サッカーグッズの販売事業では求人が出ています。

ユヴェントスアカデミーの詳細はこちら→https://jacademy.juventus.com/jp/academies/tokyo

南野拓実が所属!リバプールFC

現在、日本代表の南野拓実選手が所属するリバプール。

同クラブも日本でスクールを展開しています。

リバプールのスクールは2014年に日本、神奈川県に初上陸しました。

現在では東京や千葉でも運営しており、徐々に拡大していっています。

南野拓実選手の加入はリバプールにとって、日本での市場を拡大する大きなきっかけとなるでしょう。

日本での市場拡大も南野選手を獲得した理由の1つになっていると考えることもできるのではないでしょうか。

スクールは株式会社Sports partnersが運営しており、同社はスクール運営以外に海外へのスポーツ留学事業を行っているようです。

リバープルスクールの詳細はこちら→https://lfcsoccerschools.jp/

平均観客動員数は8万人以上!香川真司も所属経験のある「ドルトムント」

ドルトムントはドイツのブンデスリーガのビッグクラブの1つです。

ブンデスリーガは1試合約42000人の観客動員を記録しますが、その中でもトップのドルトムントはなんと1試合平均で約8万人を動員します。

過去には元日本代表の香川真司選手や丸岡満選手も所属した同クラブは2018年に始動し、日本で100教室を目指して活動しています。

現在は関東や東海を中心に約40教室運営しており、開校から2年で続々とその数を増やしています。

そして、ドルトムントも日本でのビジネスに力を入れているクラブで、経済学部経営学科にスポーツ経営コースを設置する帝京大学と提携を結び、同大学の学生の希望者はドルトムントで約2週間スポーツビジネス研修を受けることができます。

ドルトムントは平均観客動員数が8万人とだけあって、ビジネス面が非常に優れているクラブです。

アカデミーは、あの駅前留学(英会話教室)で有名なNOVAホールディングスがある株式会社ドルトムントサッカーアカデミーを100%子会社として設立し、運営しています。

NOVAのこれまでの実績やノウハウを生かしてサッカースクールを展開しているということでしょう。

ちなみに、ホームページでフルタイム、パート、アルバイト共にコーチの募集も行っています。

ドルトムントサッカーアカデミーの詳細はこちら→https://dortmund.co.jp/

日本進出しているクラブはまだまだある

今回は名前のみの紹介になりますが、上記以外にも以下のクラブが日本でサッカースクールやキャンプを開催しています。

● アトレティコマドリード(サマーキャンプを実施)

● セルタ(サマーキャンプを実施)

● セビージャFC (福島県でサッカーアカデミーを開校)

● バレンシア (和歌山などでサッカースクールを開校)

● ペルージャ (神戸、横浜、東京でサッカースクールを開校)

● チェルシー (東京などでサッカースクールを開校)

● マンチェスターユナイテッド (全国でキャンプを開催)

まとめ

今回は、\海外クラブが日本に進出してくるワケ【欧州編】/ということで、欧州クラブが日本でビジネスをする理由や日本市場の魅力を簡単にご紹介し、「サッカースクール事業」を軸に各クラブの戦略を考えてみました。

キャンプのみも含めると、欧州だけでその数は15以上になります。

それだけ多くのクラブが日本に目を向けていることになります。

そして、エスパニョールの東京と埼玉やACミランのように、同じクラブでも活動場所によって運営する法人が異なることもあります。

海外のサッカークラブが日本でサッカースクールを展開する場合は、日本の法人とライセンス契約を結んでいます。

この契約によって、日本でロゴや名称を使用し、それぞれのクラブのメソッドのもと、活動が行われています。

そして、某関係者によると、ライセンス料はとても高く、コーチも現地から派遣、もしくは現地で学んだ優秀な人材のため、人件費も含めて相当な経費がかかっているようです。

これらのクラブの開催するサッカースクールは、地域や年代にもよりますが、月謝が週1回練習で8,000円~19,000円ほどに設定されており、キャンプも3日間ほどで1人あたり30,000円~100,000円と高額なことも多いです。

しかし、グランド代なども含め、多額の経費がかかるため、相当な数を集めない限り、大きな利益は見込めないようです。

欧州ビッグクラブの名前を使えるからといって、サッカースクール事業は簡単には稼げるビジネスではありません。

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ABOUTこの記事をかいた人

須賀 優樹

本ブログの管理人。「世界で一番優しくスポーツビジネスを学べる場をつくる!」を目標に、スポーツ業界に入りたい人、活躍したい人をこれまで多数支援。学生時代の専門は「スポーツマーケティング」。現在は大手企業のデジタルマーケティングやビッグデータ分析のコンサルティング、スポーツ団体の新規事業支援などをやっています。