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スポーツメーカー社員が解説する「ブランド戦略」 成功例と失敗例から学ぶ

皆さんはランニングシューズやウェアを購入する時に何を基準に商品をえらびますか?

やっぱりカッコいいのが欲しいけど、できるだけ安いのがいいかなぁ。

昭和から平成の時代にかけては、消費者の購買は商品の「価格」によって大きく左右されていました。

しかし、令和の新時代では「価格」ではなく、ブランドの価値によって商品を購入する時代に移行していくと言われています。

やっぱり「ブランド」が大事よね。安ければいいってもんじゃないわ!

では、なぜ「価値」が大切な時代になっているのか?

今回は、「スポーツ用品メーカー」を事例として、企業の「ブランド戦略」や実際にあった「成功例・失敗例」などをご紹介したいと思います。

この記事で学べること

✔ メーカーにとっての「ブランド価値」の意味がわかる

✔ NIKEがずば抜けた「ブランド力」を持つ理由がわかる

✔ ブランドの価値を下げてしまう「失敗例」を学べる

ブランドの「価値」がなぜ大切なのか?

ブランディング」という言葉があります。

これは、企業が商品やサービスをお客さんに向けて販売しようとするときに、「ここのお店の商品は他と違って好き!!」と感じてもらえるように、色々な工夫をしていくことを言います。

例えば、みなさんの中にも「カフェと言えばこのお店!」とか「シャンプーはこのメーカーのものじゃないとダメ!」といったようなイメージやこだわりがあると思いますが、そうした企業や商品は「ブランドが確立されている」と言えます。

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では、なぜ「ブランドの価値」が大切なのか。

それは、世の中にあるほとんどのモノは、すぐに類似品を作り出すことができ、販売できる時代だからです。

自社メーカーが世界で1番最初に独自開発した機能でも、数か月後には有名メーカーにマネをされてしまい、消費者たちは「価値」「信頼」のある有名メーカーの商品を購入していってしまいます。

みなさんも、スポーツショップなどで同じ素材・色・価格のTシャツが2枚並んだ時、有名メーカーの商品と見ず知らずのメーカーの商品が陳列されていれば、自然と有名メーカーの商品を購入する人がほとんどだと思います。

現在、スポーツ用品メーカーのほとんどは、自社の「価値」を高めるため、様々な取り組みをしています。

このような取り組みが、自社ブランドの「将来性」を変えていくといわれています。

では、「将来性が”ある”ブランドと”ない”ブランドはどのように見極めればよいのか?」「メーカーは現在どのような戦略でブランドの「価値」を高めているのか?」といったことを、以下では具体的な事例を交えてご紹介していきます。

ズバ抜けたブランド戦略を実行する「NIKE」の取り組み

言わずと知れた世界NO.1のスポーツ用品メーカーの「NIKE」。

そこには、「世界NO.1」に君臨する理由があります。

ここでは、NIKEのモノづくり」「ブランド戦略」「販路戦略の3つを見て行きたいと思います。

NIKEの徹底した「モノづくり」

”NIKE”と聞いて、皆さんはどんな商品をイメージするでしょうか?

恐らく自分が経験のある競技をイメージする人がほとんどだと思います。

理由は、どの競技においても世界NO.1の商品を持っているからです。

バスケットボールであれば、バスケットボールの神様「マイケルジョーダン」のジョーダンブランド。

その他にも様々な競技で活躍するアスリートと契約しています。

NIKEはお金があるからでしょ?

そうお考えになる方も多いと思います。

しかし、本当の理由はもう一つ存在します。

それは「商品力」です。

選手にとって、お金よりも大事なものは、実際にプレーで使用する「用具」です。

NIKEでは、専門の動作解析チームが複数あることはもちろん、契約アスリートをはじめとする選手の生の声を現場に常に反映し、時代の最先端をいく商品を開発し続けています。

最近の良い例が、「厚底シューズ」です。

2020年1月に行われた箱根駅伝では、10区間の全てでNIKEの厚底シューズを履いた選手が区間賞を獲得しました。

また、マラソンの大迫傑選手が厚底シューズを履いて日本記録を更新したことでも注目されました。

このような長距離界のニュースが重なり、スポーツショップでの販売は、過去まれにみるNIKE一強時代となっています。

聞き取り調査の範疇になりますが、「ランニングシューズの売上の半分はNIKE」というお店もあるそうです。

NIKEの「あえて売らないプロモーション」

ここではNIKEのプロモーションを2つの視点からご説明します。

【数量限定販売】

例)1万足売れるジョーダンシューズを千足しか売らない

1足のシューズ(ジョーダンシリーズ新作)が発売される場面を例にご説明します。

人気シリーズの新作シューズとなりますので、1万足の在庫を作れば、恐らく1万足全て完売すると思いますが、NIKEはあえて千足しか作らず完売させる戦略を取っています。

なぜこんなことをするのかというと、人々の「ジョーダンのシューズが欲しい!」という「欲求」を駆り立てるためです。

目の前の利益だけを考えれば、1万足売った方が会社の利益にはなります。

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しかし「ジョーダンシューズが欲しい!」という、お客さんの欲求も、もしかしたら満たされてしまうかもしれません。

欲求が満たされてしまうと、次の新作は買わずに他のシューズを買うでしょう。

ですが、千足しか販売をしないと、買いたかったのに買えなかった人々が「次こそは!」という「欲求」に掻き立てられ、次回の新作を購入することに必死になることでしょう。

こうして、人々の欲求は常に満たされることなく「ジョーダンブランド」の価値があがり、持っているだけで一目を置かれるブランドへと成長することができたのです。

【販路施策】

2つ目は「販路施策」です。ここでは、「限定モデル」の販売と、「ファーストオーダー」という取り組みに注目してみたいと思います

限定モデル

例:総合スポーツショップAとサッカー競技専門店B

NIKEはスポーツショップによって取り扱う事ができる商品を限定していることを皆さんは知っていますか?

例えば、以下のようにショップによって販売できるシューズを分けているのです。

総合スポーツショップA:1万円以下のシューズのみ取り扱い可。

サッカー競技専門店B:2万円のTOPモデルの商品まで取り扱い可。

ここでも目先の売上だけを考えれば、総合スポーツショップだろうと、サッカー専門店だろうと同じように全種類の商品を取りそろえた方が消費者にとってみればラインナップも豊富ですし、メーカーや小売店の売上につなげることができると思います。

ではなぜ、取り扱える商品を限定するのでしょうか?

それは、NIKEのシューズを通してショップの「価値」を上げるためです。

サッカー専門店Bに行けばNIKEのTOPモデルのシューズが買える

そう、消費者に思わせることで、サッカー専門店の価値を高めることができるのです。

また、ラインナップの差別化をすることで、サッカー専門店側から見ても「うちのお店はNIKEのTOPモデルを取り扱っている」という誇りを胸にショップスタッフが接客に入るので、自然と他メーカーよりNIKEを勧めることが多くなることも、私の経験から言える事実の1つです。

※私はサッカー専門店で勤務しておりませんが、別競技においてTOPモデルまで取り扱えるお店で勤務していました。

ファーストオーダー(予約受注)

上記で解説した「TOPモデル」を取り扱える基準として、「競技専門店である」という”競技軸”の他に、年間で”「いくらNIKEを売っているか?」という事が大きなポイントとなります。

サッカー専門店であっても年間の売上が基準を満たさなければ、TOPモデルを取り扱うことはできませんし、他の競技を取り扱っていたとしても売上の年間基準を満たしていればTOPモデルを取り扱う事ができます。

その基準を決める指数に使用するものが、”ファーストオーダー”の金額です。

ファーストオーダー”とは、一言で表すと「半年後に発売する新作シューズの予約受注」です。

NIKEは新作シューズを売ってもらうために、半年前にあらかじめ、

いつ」「どんな機能・性能」「カラー」「価格」「モデルとなっている選手

といった情報を、取引先のスポーツショップに案内します。(いわゆる「展示会」です)

そして「予約受注」という形でスポーツショップにオーダーをとってもらうのが現在の主流となっています。

この「予約受注」でNIKE側が設定した金額以上のファーストオーダーを注文する事ができたショップだけが、「TOPモデル」のシューズを取り扱うことができる、という流れになっているのです。

半年前に「ファーストオーダー」をもらう事で生じるメーカーのメリットは、

● 販売数量(いくつ売れるか?)

● 販売金額(いくらで売れたか?)

という2点を、「商品を実際に売る前に、ある程度計算することができる」という点です。

半年後の売上が確約されているのは、どの企業においても大きいことは説明不要だと思います。

そして「販売数量」を予測できるということは、スポーツメーカーにおける最大のリスクの一つである「在庫リスク」を最小限に抑えることができるのです。

仮に「ファーストオーダー」をなくし、「発売と同時に注文する」システムを採用すると、

予想より売れた時 → 欠品

● 売れなかったとき → 過在庫

という2つの大きなリスクをかかえることとなり、売れても売れなくても経営に問題が発生することになります。

ファーストオーダー制を採用することにより、売上の見込みを立てられ、リスクを最小限に抑えることができるのです。

スポーツメーカー社員が語る「スポーツ用品の儲け」のカラクリ

ブランディングの失敗例 : 激安価格で叩き売りされる某メーカー

最後に、誤った戦略で「ブランド価値」を下げてしまった某メーカーの例を紹介します。
※悪い事例ということで実名は控えさせて頂きます。

今回紹介するメーカーはここ15年余りで急激に日本でもシェアを伸ばし、NIKEやadidasと匹敵、競技によってはそれ以上のシェアを持つブランドです。

NIKEやadidasと匹敵するのであれば、よい戦略をとっているのでは? と思う方も多いと思いますが、実はこの某メーカー、年々売上が下がってしまっているのです。

年々売上が下がり、メーカー内で起きていることを今回は2点ご紹介します。

「割引」が引き起こしたブランド力低下

スポーツアパレルはファッション業界と同様に、季節商品の「アパレルクリアランスセール」があります。夏物は8月、冬物は2月です。

このメーカーも割引をするのですが、その時期を他メーカーより早める、という戦略を取ったのです。

その結果、どうなるか?

早期割引」をはじめて実施したシーズンのアパレルは、爆発的に売れました。

安くなってる!

消費者のほとんどは、こうした購買心理になったことでしょう。

では、2シーズン目以降はどうでしょうか?

安くなるから待とう

この購買心理が働き、「定価」で商品が売れなくなります。

つまり割引時期を早めたことにより、定価で売れる期間が短くなっただけではなく、販売数量も少なくなってしまったのです。

そして、このブランドの認知は「安売りメーカー」という消費者の認知となってしまいました。

「在庫過多」による割引が生んだ負のスパイラル

先ほどの説明から「定価」で売れる数量が少なくなってしまった、Tシャツを例にご説明します。

● 50枚を「定価」で販売

● 50枚を「割引」して販売

「合計100枚」のTシャツを昨年は販売したと仮定します。

割引を「早期」に実施してしまうことによって、定価での販売数が「30枚」に減ったとします。

すると(50枚-30枚=20枚)ということで、「20枚」のシャツが余ってしまいます。

20枚余るということは、

売り上げの減少

過剰在庫の増加

という、2つのデメリットを抱えることになります。

そして、メーカーは余った20枚を売るために、さらに割引を行います。

これを”セカンドプライス”と業界では呼びます。

仮に最初の割引率を30%に設定し、セカンドプライスを50%で設定し残りの20枚を販売したとします。

先ほど説明したように、初年度はセカンドプライスで恐らく残りの20枚も売れるでしょう。

ですが来年、再来年とだんだん「待てば安くなる」という消費者心理がはたらきセカンドプライスでも売れなくなっていきます。

すると最終的には在庫を消化しきれなくなり、利益を度外視して激安店に「最終処分」という形で販売することになります。

ここでも先ほど説明と同じように「激安店で“某メーカー”の商品が買える!」と消費者が思うのは初年度のみ。

だんだん売れなくなり最終的には「安いのが当たり前」「安くなってから買う」というブランドイメージを消費者に持たれてしまうのです。

こうなってしまうと、ブランドの持つ「価値」は下がり続け、負のスパイラルに陥ってしまうです。

スポーツ用品産業に将来性はあるのか?モノが売れない時代のスポーツ用品論

おわりに : 先を見据えてビジネスができるメーカーが勝つ

メーカー(会社)として目先の売上を求める事が大切な時もあります。

ですが、ビジネスプランを中長期的に考えることが会社としては非常に重要であり、スポーツメーカーに就職を希望する方には、ぜひメーカーの認知度や売上高だけではなく、中長期的にどのようなビジネスプランをもっているのか、という部分もしっかりと調べて就職・転職活動をしてほしいと思います。

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