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今回は「スポーツに関わる法律」である、「スポーツ法」について少し解説してみたいと思います。
みなさんは「スポーツ法」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
大学などで「スポーツビジネス」に関する授業を受けたことがある方や、スポーツビジネスに実際に関わっている方であれば、多少は知っているかなぁ、というところではないでしょうか。
そうした授業を受けたことがなかったり、スポーツビジネスに全く関わったことがないような方にとっては「なんじゃそりゃ!?」という感じで、ほとんどイメージがつかないものかもしれませんね。
このブログで、「スポーツ経済学」ってなに? スポーツビジネスに関わる経済学 というコラムを書いていますが、そのコラムでは、「経済学」の知識がスポーツにどのように活かせるのか、ということをご紹介しました。
「スポーツ経済学」は、スポーツに関する商品やサービスを売ったり買ったりするときに必要になる知識です。
「モノの値段や価値というのは、どのように決まるのか?」ということを明らかにするときに、「経済学」というものが役に立つからです。
今回の「スポーツ法」もスポーツビジネスで何かを売ったり買ったりするときに深く関わる分野なのです。
では、「スポーツ法」の世界に少し足を踏み入れてみましょう!
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スポーツ法(Sport Law)ってなに?
結論から先に言いますと、「スポーツ法」という法律はありません。
「え、ないの!?」と思う方もいるかもしれませんが、ないのです。
スポーツビジネスに関わる分野として、「スポーツ産業」というものがあると、このブログでも度々ご紹介をしていますが、「スポーツ産業」が国に正式に定められた産業ではないのと同じように、「スポーツ法」という法律も正式に定められているものではありません。
では、「スポーツ法」と呼ばれているものはいったい何者なのでしょうか?
日本で「スポーツ法」と呼ばれているものは、以下のような、スポーツに関連する個々の法律を、まとめて扱いたいときに「スポーツ法」と呼ばれているのです。
✔ スポーツ基本法
日本として、スポーツをこうやって発展させていきましょうという方針を文部科学省が定めた法律。
✔ 独立行政法人 日本スポーツ振興センター法
totoの助成金(「スポーツくじ」で集めたお金)を、どうやって使っていくかなどを定めた法律です。「総合型地域スポーツクラブ」などを運営するときに、totoの助成金を申請することができます。✔ 労働保護法 (ろうどう ほご ほう)
スポーツ選手は「労働者」なのかといった、選手と協会・クラブとの「契約」問題などでよく出てくる法律です。✔ 独占禁止法 (どくせんきんし ほう)
プロ野球の「ドラフト制度」などで話題になることがあります。特にアメリカのスポーツビジネスでは盛んに取り上げられる法律です。
✔ 知的財産法 (ちてきざいさん ほう)
スポーツに関わるような商品や、アイデアなど発明したときに、それを勝手に他人に使われたりマネされたりされないように、作った人を守る権利に関する法律です。
✔ 放送法 (ほうそう ほう)
主にテレビでスポーツ中継を放送する際に発生する「放映権(放送権)」などに関わる法律です。✔ 電気通信事業法 (でんきつうしんじぎょうしゃ ほう)
「スポーツ法」として扱われる様々な法律
最近盛んになってきている、プロスポーツの試合をインターネットで中継したり動画配信したりするときに関わってくる法律です。
✔ 都市公園法 (としこうえん ほう)
公園の中にスポーツ施設を作ったり、娯楽施設を作ったりするときに関わる法律。
上記でご紹介したものは、あくまで「スポーツビジネスに関わる可能性が高いもの」ですが、
他にも、「スポーツ選手と競技団体でトラブルが起こったときに、トラブルを解決する」という「スポーツ仲裁」と呼ばれる分野であったり、スポーツ選手の「ドーピング問題」なども「スポーツ法」の中に含まれてくる場合があります。
このように「スポーツ法」といっても様々な法律がごちゃまぜになっていて、勉強したり理解したりするのが、なかなか難しい分野でもあります。
(「法律」というものはただでさえ学ぶことが難しいですからね。)
最低限知っておきたい「スポーツ基本法」
以上でご紹介したような法律が、スポーツビジネスを行う上で複雑に絡み合って、 さまざまな権利を生み出していきます。
この中でもやはり「スポーツ基本法」はぜひ知って頂きたい法律です。
「スポーツ基本法」には、
- 地域でスポーツにどのように取り組んでいくか
- スポーツを通じて子どもをどうやって育てていくか
- 障害者がスポーツを行う権利をどうやって守っていくか
- スポーツ産業をどうやって発展させていくか
など、日本のスポーツ発展に関わることが盛りだくさんに書かれています。
スポーツビジネスを学んだり、スポーツビジネスを行う際には、「日本という国はスポーツをどのようにしていきたいのか」という視点を持つことは非常に大切です。
日本の社会全体としての、「少子高齢化」や、「障害者の人権保護」、「スポーツの複雑な商業化(ビジネス化)」など、そうした日本の現在、そして未来をこの「スポーツ基本法」に反映しているからです。
このほかにも、県や市といった自治体が決めることができるスポーツ振興の「条例」といったものや、国際オリンピック委員会(IOC)が定めている「オリンピック憲章」、世界アンチドーピング機構(WADA)などが定めている、ドーピング禁止関連の「規程」なども基本的なことをしっておくと良いかもしれません。
こうしたスポーツに関連する法律は非常に奥が深く、法律自体を理解することもかなり難しいことではあります。
しかし、こうした法律が理解できると「なぜあの球場の名前には、会社の名前が入っているのか」とか、
(例えば、同じスタジアムを、Jリーグの試合のときには「味の素スタジアム」と呼ぶのに、ラグビーのワールドカップのときにはなぜ「東京スタジアム」と呼ぶのか、など)
スポーツ選手はクラブや企業と、どのような契約をして、どうやって収入を得ているのか、といったことがわかるようになります。
スポーツビジネスを実践していく人は、「法律家」や「弁護士」になる必要はないと思いますので(もちろん「弁護士」としてスポーツビジネスに関わっている人もいますが)、
法律の細かい知識ではなく、「スポーツビジネス」と「法律」ってこんなふうに関係してるんだな、というように理解していけば十分だと思います。
まとめ ~スポーツ法はざっくり理解しよう~
今回は、\「スポーツ法」ってなに? スポーツビジネスに活かせる法律の知識/ ということで、「スポーツに関わる法律」を簡単にいくつかご紹介していきました。
「スポーツ法」という法律自体はありませんが、ご紹介したようなスポーツに関わる法律のことを学んだり議論したりするときに「スポーツ法学」という呼び方がされるときもあります。
この場合は、「ああ、スポーツに関する色々な法律のことを勉強するんだな」と思っていただければ良いと思います。
1つ1つの法律はとても難しいですが、スポーツビジネスを学んだり、スポーツビジネスに関わる企業などの就職して、仕事がしたい方は、1つ1つの細かい条文などを覚える必要はありません。
「この法律はスポーツビジネスとどのように関わっているのか?」とか、「自分がやりたいスポーツビジネスをするときに、どんな法律を守らなければならないのか?」ということをしっかりと押さえることが大切だと思います!
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✔ 「スポーツ法」の意味がわかる
✔ スポーツに関わる様々な法律がわかる
✔ スポーツビジネスと関わりのある法律がわかる