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みなさんが「スポーツビジネス」や「スポーツマネジメント」を学びたいと思ったとき、どうやって学べばよいか悩む人も多いかと思います。
現在では、民間企業がスクールを開いたり、スポーツビジネスの経験者が個人的に講座などを開いたりして、学ぶチャンスは色々と増えてきました。
しかし、多くの中学生や高校生にとっては「大学に行って勉強する」ということは、数ある選択肢の中でも、真っ先に挙げられる進路になるかと思います。
今回は、「大学ではどのようにスポーツビジネスを学ぶのか?」ということを簡単にご紹介したいと思います。
なお、学校によって扱う分野や内容が違いますので、あくまで「一般的なスポーツビジネス分野の勉強」ということで記事を読んで頂ければと思います。
どんな授業がどのような仕事に繋がっていくのか、ぜひ参考にして頂けたら嬉しいです!
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スポーツマネジメントに関する学部
「スポーツビジネスを学べる大学」に入ると、多くの場合、「スポーツマネジメント」という科目を学ぶことになります。
「スポーツマネジメント」というものは、大きく分けて2つあります。
1つは、「運動(競技)をマネジメントする」というスポーツマネジメントと、もう1つは「スポーツでのビジネスをマネジメントする」というスポーツマネジメントです。
そもそも「マネジメント」というのは日本語に訳すと「管理する」という意味になりますが、簡単にいえば「時間やお金などを上手く使って、自分たちの目標を達成する手段」と覚えて頂ければよいです。
つまり「マネジメント」というのは「何かをいい感じにすること」という意味になります。
「運動(競技)をマネジメントする」
「運動(競技)をマネジメントする」というのは、例えば、激しすぎるような運動は身体に悪いですし、年齢や個人の能力に応じて適切な運動は変わってきますよね。
それを「個人レベル」で「管理」することも「スポーツマネジメント」ですし、ジョギングしようとしても近くに走る場所がないとか、運動ができる場所がないといった問題を解決するために、「地域をマネジメント」して運動を促進する環境を作り上げていくのも「スポーツマネジメント」になります。
これらのスポーツマネジメントに関する学部では「スポーツ科学」や「スポーツ医学」、「スポーツ心理学」といった「スポーツをすることによって発生する、心や体への影響」を扱う分野を学ぶことが多いです。また、地域や組織に対して働きかけるための企画立案能力や課題解決能力を養うような知識を学ぶことができます。
例えば、「健康地域スポーツ論」とか「ヘルスケアマネジメント論」みたいな授業の場合は、そうした「個人と地域社会の健康作りのためのスポーツマネジメント」を学ぶ場合が多いです。
ただ、こうした「運動(競技)をマネジメントする」という場合でも、どちらかというとビジネス寄りの科目である「マーケティング」を学ぶこともあります。
「マーケティング」とは、簡単に言えば「相手のことをよく知る」ということです。
例えば、地域や組織に対して働きかけるためには、その人たちが「必要としていること」や「求めていること」、「嬉しいこと・困っていること」などをしっかりと理解した上で、話し合いをすることが大切になります。
自分たちが「あれをやりたい、これをやりたい」と主張するだけでは、他の人たちに受け入れてもらうのは難しいですよね。
そのために、「マーケティング論」をカリキュラムに組み込んでいる学部・学科は多いです。
地域や組織でスポーツを楽しむために必要は施設はなにか? といったことを考える場合、その地域や組織の特徴に合ったスポーツはなにか? を調べる必要があるからです。
例えば、高齢者の多い地域に対して、「BMX」や「スケートボード」をするための専用施設を作っても、高齢者がそうした競技をプレーすることは難しいですし、そうした施設を作りましょうと提案をしても、よっぽどのメリットがなければ、そうした提案を地域住民や行政などが受け入れてくれることはないと思います。
ですので「マーケティング」の視点をしっかり持つことによって、その地域にどんな人が住んでいて、その人たちにとって本当に必要なことは何かをリサーチしたり、様々な角度から分析し、アイデアを出したりする必要があるのです。
ここで紹介するだけでは「マーケティング」は簡単に感じるかもしれませんが、実際にはかなり難しいです。
何を調べたらいいのか?、どのように調べるのか?、調べた結果からちゃんと正しい結論を導き出すにはどうしたらいいのか?、というのは経験を積んだ人でも難しく、私自身も「スポーツマーケティング」という分野を大学院に行って学びましたが、まだまだわからないこと、できないことがたくさんあります。
「マーケティング」はそれくらい難しいですが、「スポーツマネジメント」においてはとても大切な要素の1つになります。
札幌大学 地域共創学群 スポーツ文化専攻 スポーツマネジメント科目
尚美学園大学 総合政策学部 ライフマネジメント学科 スポーツコース
東海大学 スポーツ・レジャーマネジメント学科
大阪産業大学 人間環境学部 スポーツ健康学科 スポーツ支援コース
同志社大学 スポーツ健康科学部 スポーツ健康科学科 スポーツマネージメント領域
立命館大学 スポーツ健康科学部 スポーツ健康科学科 スポーツマネジメントコース
健康作り分野でのスポーツマネジメントを学べる大学の例
スポーツでのビジネスをマネジメントする
次は、「スポーツでのビジネスをマネジメントする」ということを学ぶ場合を見て行きます。
「スポーツビジネス」と聞いて真っ先に想像するのがプロ野球やJリーグのような「プロスポーツ」関連のビジネスだと思います。
プロの選手自身も、「選手として稼ぐ」という意味ではもちろんスポーツビジネスに関わっているわけですが、プロスポーツの多くは選手が所属する「クラブ(チーム)」やそのクラブが所属する「リーグ(協会)」というものが存在しています。
当然、クラブやリーグを運営するための人材が必要となりますので、そのための人材を育成するのを目的として、「スポーツでのビジネスをマネジメントする」という内容を扱う大学は多いです。(もちろん、それだけが「スポーツビジネスのマネジメント」ではありませんが)
こうした内容を学ぶ場合は、スポーツを「企業の経営」という視点から捉えるため、「経済学部」や「経営学部」といった学部の中に、「スポーツビジネスコース」や「スポーツマネジメントコース」のような学科・コースが設置されている場合が多いです。
ここで学べるのは主に経営学の中でも「マーケティング論」や「統計学」「ガバナンス論」などがメインとなります。
先ほどご紹介した「運動(競技)をマネジメントする」という分野でも「マーケティング」を学ぶことがある、とお伝えしましたが、「ビジネスマネジメント」のほうが、より深いマーケティングの内容を学べることが多いと思います。
「ビジネスマネジメント」でマーケティングを学ぶ最大の理由は、プロチームやプロリーグといった「お金を得ることを目的にスポーツをしている組織」においては、「ブランディング」という視点がとても大切になるからです。
「ブランディング」については「洋服と言えばユ〇クロだよね」とか「ハンバーガーといえばマ〇ドナルドだよね」のような、「〇〇といえば〇〇」という印象を、お客さんにいかに強く感じてもらえるかを考えることです。
「ブランド」というと服とかカバンのイメージが強いかもしれませんが、あれも他のメーカーとの「違い(差別化)」をしっかりと打ち出して、自社のファンを囲い込もうとしているのです。
皆さんの周りにも、「このメーカーの服は大好きだから毎シーズン買う」とか「鞄を買う時は必ずここのメーカー」といった感じの人がいるのではないでしょうか。
それと同じでスポーツチームやリーグも自分たちのファンを増やして、そのファンを囲い込むことに必死です。
なぜなら、ビジネスというものは基本的には「ずっと続いていく」ものだからです。
オリンピックやワールドカップのような「1回だけで終わる」ようなスポーツイベントは別ですが、プロ野球やJリーグといったスポーツビジネスは、基本的にこれから何年も続いていくでしょう。
なので、お客さんには「1回だけスタジアムに来てもらう」とか「1回だけグッズを買ってもらう」のではなく、「一生応援してもらう(ずっとお金を払ってもらう」必要があるのです。
「私の人生は地元チームの〇〇と共にある」というくらいに感じてもらえるように、お客さんとの関係性を深める必要があり、地域住民やファンが何を求めているのか知るためにもマーケティングを学ぶ必要があるのです。
また、「統計学」も「マーケティング」を手助けしてくれます。
調査したデータを分析して、正しい結論を導く手法を1つとして統計学はとても役立ちます。
統計学のもう一つの使い方としてチーム・個人の強化にも統計学が必要になります。
今や、どのスポーツでもデータの分析はチーム・個人の強化に必須であり、データを正しく使える人材は、スポーツビジネスにも必要不可欠な存在となります。
そして、チームやリーグは大勢の人間が関わる組織なので、「ガバナンス」というものが大切になります。
「ガバナンス」とは簡単にいうと「組織がきちんと動くようなルール作り・仕組み作り」を扱う分野です。
「ガバナンス」を学ぶために「経営組織論」といった授業がカリキュラムに入っている大学もあります。(それほど多くはありませんが)
少し話は変わりますが、アメリカでは経営学部の卒業生にとって「プロスポーツ運営の仕事」というのは進路の1つとして確立していて、2015年の調査では、「経営学部の卒業生が就職したい企業のランキング」で14位に「メジャーリーグ(MLB)」がランクインしています。
参考サイト: BUSINESS INSIDER | 50 companies business students dream of working for
まだまだ日本のプロスポーツチームやリーグは、親会社から職員を派遣したり、そのスポーツをずっとやっていたOBやOGが経営に関わることが多いですが、基本的にスポーツビジネス分野は、アメリカを後追いするので、これからは専門的にスポーツマネジメントを学んだ人材が活躍する場が増えるはずです。(実際、他の業界や、その競技をやったことのない人でも、プロスポーツ業界に就職・転職する例が増えてきています。)
江戸川大学 社会学部 経営社会学科 スポーツ経営コース
産業能率大学 情報マネジメント学部 現代マネジメント学科 スポーツマネジメントコース
早稲田大学 スポーツ科学部 スポーツ科学科 スポーツビジネスコース
帝京大学 経済学部 経営学科 スポーツ経営コース
広島経済大学 経済学部 スポーツ経営学科
九州共立大学 経済学部 経済・経営学科 スポーツビジネスコース
ビジネス面でのスポーツマネジメントを学べる大学の例
番外編 ~スポーツのお仕事を学べる様々な分野~
ここからは、同じ「スポーツを学ぶ」ということでも、これまでご紹介した内容とは少し違う分野を簡単にご紹介したいと思います。
スポーツをする人たちを医療面でささえる学部
スポーツにはどうしても怪我や故障がつきものです。そんな時に選手をささえる人材もスポーツビジネスの一部です。
理学療法学・鍼灸学・柔道整復学・スポーツ医科学などは、リハビリテーションに欠かせない技術や知識を学ぶことができ、カリキュラムの例では、健康科学・保健衛生学・リハビリテーション学などを学びます。
病院やクリニック、治療院などでの勤務の他、個人での開業やスポーツチームのスタッフとして活動するケースもあります。
新潟医療福祉大学 健康科学部 健康スポーツ学科 スポーツマネージメントコース
福山平成大学 福祉健康学部 健康スポーツ科学科 スポーツマネージメントコース
医療面でのスポーツマネジメントを学べる大学の例
コーチやトレーナーになるために学べる学部・学科
体育学科・武道科・スポーツ学科などの名称になっている学部や学科では「コーチ」や「トレーナー」を目指すことができます。
これらの学部・学科の特徴は今までの例にあげた学部・学科に比べて「スポーツの実技」を重視している点です。
実際にスポーツを「する」ことを学び、そのうえに健康科学、保健衛生学、リハビリテーション学など合わせることでコーチやトレーナーになる人材を育成します。
その他の就職先としては「体育教師」もありますが、なんといってもそのままスポーツ選手として活躍する卒業生が他の学部・学科に較べて多いのも特徴の1つです。
実際に身体を動かすための理論を学べるのと、実技の時間がしっかりとれるため、自分自身が選手としてスポーツビジネスに関わりたい場合には、こうした選択するケースが多いようです。
また、スポーツを引退した後、指導者としてスポーツに関わる場合に必要な知識や技能を身につけられる点がメリットですね。
国際武道大学 体育学部 体育学科 スポーツマネジメントコース
日本体育大学 体育学部 社会体育学科 スポーツマネジメント専攻
コーチやトレーナーになるためのスポーツマネジメントを学べる大学の例
まとめ ~自分に合った「スポーツマネジメント」を学ぼう~
今回は、\スポーツマネジメントを大学で勉強したい人に知ってほしいこと/というテーマで、「スポーツマネジメント」が扱う分野や、学べる内容や仕事との関わり、実際の学校などをご紹介してきました。
「スポーツマネジメント」は簡単には書ききれないくらい、とても範囲が広く、大学にいっても「すべてのスポーツマネジメントを学ぶ」ということは難しいです。
大学生の方は、「大学に入ってみたけど、自分がやりたい勉強とは違った」とか、「もっと深く学んでみたい」という気持ちになることもあると思いますし、高校生の方は「大学ではなく専門学校に行く」といった選択肢もあると思います。
ただ、「大学に行くことのメリット」は「スポーツ関連のこと」だけではなく、文学や社会学、数学、物理学、語学など、あらゆる分野のことを広く学べることだと思います。
一見するとスポーツには関係ない分野のことも、スポーツビジネスを考えたり、実際にビジネスをしていくにあたって、とても大切になってくることもあります。
大学に行って「スポーツビジネス」を学びたい方は、もちろんスポーツ関連の科目の勉強も頑張って頂きたいと思いますが、上記のような様々なことに興味を持って学んでいくと、将来きっと役に立つと思います!
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✔ 「スポーツマネジメント」の種類が理解できる
✔ 大学ごとの「スポーツマネジメント」の特徴が理解できる
✔ 「スポーツマネジメント」が将来どのような場面で役に立つかわかる