スポーツが「商品」になった理由

今回は、なぜ「スポーツ」が売られたり買われたりするという「商品」になったのか、ということを考えたいと思います。

みなさんも、スポーツに関する商品やサービスを色々と買ったり、体験したりすることがあると思いますが、その商品やサービスに、どんな価値を感じてお金を払っているでしょうか?

スポーツを「商品」として考えることは、「スポーツマーケティング」を学んだり考えていくうえでは基本となる重要なことでもあります。

スポーツビジネスを学ぶ方や、スポーツビジネスをしていきたい方にはとっても大切なことですので、ぜひ覚えてくださいね。

「スポーツ産業」の定義が難しい理由

スポーツというものは元々、人々が「Play(遊び)」するもの、として誕生しました。

気晴らし」とか、「日常から解放される」といった意味がスポーツには込められています。

したがって、「食品」や「洋服」、「家電製品」などとは違って、スポーツは最初から「商品」として誕生したものではありません

他のモノ(商品/Product)は、人々が働いた、「労働」という結果のもとで生産されてくるのですが、スポーツだけはPlay(遊び)によって生産される、という特徴があります。

(もちろん、スポーツメーカーやスポーツ小売業といった業界に関わる人は商品を売るために「労働」をしているわけですが、本質的にスポーツそのものは対価を得るために行う「労働」ではない、ということです)

ですので、スポーツの商品化の第一は、「スポーツの価値」とは何なのか、ということを考えることにあります。

ビジネスの基本は「その商品がどのような価値を市場(Market)に提供するか」です。

だから、「スポーツ」にも「マーケティング(Marketing)」という分野の必要が出てきて、「スポーツマーケティング」が発展してきたのです。

関連記事:スポーツマーケティングは「相手の気持ちを考えること」

商品を作り出して、市場に提供(Supply)するものが、「モノ」でも「サービス」でも、ビジネスの基本は、「市場に提供する価値」です。

もし、スポーツに価値が無ければ商品化する意味が無い、ということです。

「スポーツビジネス」はスポーツを生産し販売するビジネスですが、そこで提供される「商品」としての「サービス」とは、大きく分けると「する(Play)」と「みる(Watch)」の2つに分けて考えることができます。

✔ 「する」スポーツのビジネス

✔ 「みる」スポーツのビジネス

二種類のスポーツビジネス

するスポーツのビジネス」というのは、実際に「スポーツをやる」ことによってお金を生み出すビジネスのことです。

「するスポーツビジネス」の例としては、フィットネスジムやテニススクールなどがあります。こうしたビジネスは、運動をしたい人やテニスを上手になりたい人たちを特定の場所に集めることによってビジネスになっています。

みるスポーツのビジネス」の例は、プロ野球やJリーグなどのプロスポーツリーグや、オリンピックやワールドカップといった大規模なスポーツイベントがあります。これらは選手たちが生み出す「試合」を商品にして、お金を集めるビジネスです。

「する(Play)」と「みる(Watch)」のビジネスは、提供する商品やサービスの内容が全く違ってくるため、必要な知識やスキルも違いますし、求められる人材も違ってきます。

なので、スポーツビジネスを「スポーツ産業論」としてひとくくりにして語るのが難しいのですか。

「みるスポーツ」のビジネスの発展

1970年代に入ると、テレビメディアの世界化が進み、それがスポーツのグローバル化と商品化を促しました。

1980年代にはスポーツビジネスの近代産業化と、現在「スポーツマーケティング」と呼ばれているものの理論や手法の基盤が形成されたと考えられます。

こうしたテレビメディアの普及拡大は、大衆(マス)が好むソフトの巨大な需要を生み出しました。

それは映画(ドラマ)や音楽、そしてスポーツに向かっていきました。

スポーツサービス

「大衆」というのは「消費者」のことです。「消費」とは、購入したものを「使ったら消す」つまり「捨てる」作業のことです。

近年では、環境問題の観点や、持続可能な社会をすべての人々が考えていく必要性があるといったことから、「消費者」ではなく「生活者」と言ったりする場合がありますが、人々の「モノを買って捨てる」という行為自体が大きく減っているわけではありません。

「モノ」は、「捨てる」ことにより、新たな購入が可能になります。

企業は、限りない「消費」意欲を人々に対して刺激をすることによって、限かぎりないの「購入」が可能になるのです。

マスマーケットの「大量消費型」の社会では、「物持ちがいい」ことよりも、常に新しいもの、斬新なものが重要とされます。

スポーツは、テレビの番組の1つの商品として「消費」されるようになっていきました。

スポーツの利点は、年齢、性別、さらには民族、言語を問わず共通の理解がしやすく、「ルール」という存在があるため、まさにマス(大衆)向きであることがあげられます。

「スポーツ」という商品を作り出す企業側からすると、「映画」などと違ってスポーツの試合をゼロからテレビ局が制作する必要がない、ということも商品としての魅力となります。

しかも、音楽や映画と違って、「スポーツの試合」というものは、「二度と同じものを作り出すことができない」のですから、ファンは飽きることなく「次の試合、次の試合」となっていくのです。

まさにこれは、「試合を作っては消えていく」という「消費」です。

TwitterなどのSNSは、タイムラインに投稿された内容がどんどん新しくなって、古いものは消えていってしまいますが、それと似たような感じです。

好きなチームの応援などは、誰しも必ず「1回目」というものが存在します。

その「1回目」を乗り越えて、2回、3回、4回と応援しているうちにどんどんその競技やチームを好きになり、ひいては「好きなチームを応援することが人生の一部」という状態にまでなります。

これは、冷静に考えてみると非常に恐ろしいことでもあります。


アルコール中毒やゲーム中毒のように医療機関にかかるような「依存症」というレベルにまではなりにくい反面、他人にスポーツの面白さを強要したり、他のチームのファンを非難したりするということもスポーツという「商品」が持つ難しさといえるでしょう。

いくら好きなビールがあるからといって、そのビールは飲む人にとって「神」にはなりませんが、スポーツに関しては応援しているファンにとってのチームやスター選手などは「神」に近い存在として讃えられることもあります。

したがって、「スポーツを商品にする」ということは、その商品が安全か清潔かといった物理的な責任以上に、顧客の人生そのものを大きく左右する可能性があるという責任も非常に大きい、ということを考慮しなければなりません。

まとめ

今回は、~スポーツが「商品」になった理由~ というテーマでスポーツビジネスについて考えていきました。

✔ スポーツというものは元々、人々が「Play(遊び)」するもの、として誕生したため、「商品」ではなかった

✔ 1970年代以降のメディアの発達によって、スポーツを「みる(Watch)」ということが一般化し、次々と生産されるスポーツの試合が「消費」されることによってスポーツビジネスが発展していった

ということがスポーツビジネスの特徴になっています。

「スポーツ」は本来は「売り物」として生まれたものではないので、「スポーツに関する商品を売る」ときには、

・なぜその商品が必要とされるのか?
・その商品の価値をどうやって伝えるのか?
・その商品をどうやって買ってもらうのか?

といったことを深く考えていかなければなりません。

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ABOUTこの記事をかいた人

須賀 優樹

本ブログの管理人。「世界で一番優しくスポーツビジネスを学べる場をつくる!」を目標に、スポーツ業界に入りたい人、活躍したい人をこれまで多数支援。学生時代の専門は「スポーツマーケティング」。現在は大手企業のデジタルマーケティングやビッグデータ分析のコンサルティング、スポーツ団体の新規事業支援などをやっています。