スポーツマネジメントで大切な「戦略」の基本

よく、「スポーツにおいては「戦略」や「戦術」が大切である」と言われることがあります。

野球であれば打線をどのように組むか、サッカーであればフォーメーションをどうするか、といったようなことです。

「スポーツビジネス」においても、「どんなビジネスをどのように行うのか」ということを考えることがとても大切になります。

今回は、そうした「スポーツビジネスにおける戦略の基本」を考えてみたいと思います。

戦略ってなんですか?

そもそも、「戦略」というのはなんのことでしょうか?

かなり簡単に言ってしまうと、

いまの現状から、どうやってゴールに向かうかを考えて、ストーリーにすること

です。

スポーツをする上では、「勝つ」ということが「ゴール(目的)」になる場合が多いと思いますが、「戦略」というのは、「どうしたら勝てるかを考えて、そのプロセスをしっかりとシナリオ化する」ということになります。

スポーツビジネスにおいて、まず一番の目的になることは「売上を伸ばす」ということになります。

もちろん、「スポーツを通じて地域に貢献する」であったり、「スポーツによって人々の健康に貢献する」といったことも大切ですが、「ビジネス」としてスポーツを捉える場合には、とにかく「売上」を伸ばさないことには、組織を成り立たせていくことができません。

最終的に自分たちが得られるものは、「売上 - 費用 = 利益」ということになりますので、「売上」をすべて自分たちのものにできるわけではありません。

学生さんで、何かアルバイトなどをしている人であれば、自分が働いたお金は「お給料」として自分に入ってきますが、あなたを雇っている企業の側からすると、何かのサービスをお客さんに売るために、あなたに対して「給料」を支払っているですから、「費用」になります。

ですので、「スポーツビジネス」の戦略では「売上を伸ばすためにどうするか」ということは最も大切になりますが、

「費用をいかに減らすか」という視点も大切ということになります。

もし、5人のアルバイトでやっている仕事が、2人でもできる仕事なのであれば、企業としては3人分の給料を無駄に使ってしまっていることになります。

プロスポーツなどの例で言えば、クラブの経営者として考えることは、

お客さんやスポンサーをたくさん集めたり、グッズを売ったりして「売上」を伸ばすこと

②選手の年俸をできる限り抑えて「費用」を下げ、勝てるチームをつくること

というのが大切になります。

①については、BM(Business Manager:ビジネスマネジャー)という役割を持った人が中心となっていきます。

②については、GM(General Manager:ゼネラルマネジャー)という役割を持った人が中心となってきています。

関連記事:スポーツ球団のGMやBMってなにをする人?

プロスポーツ球団のような「スポーツそのものが商品」という企業ではなく、「スポーツを通じて何かを売る」というような、「スポーツ用品企業」や、「スポーツ小売企業」であれば、「選手」という存在はありませんが、

そうした場合は、スポーツ用品を作るために必要な材料のコストや、商品を全国に届けるためのコストなどをどうやって下げるか、といったことを考えていく必要があります。

このように、「戦略」というのは、自分たちのゴール(目的)とするものに対して、いかに近づいていけばいいのかを考えていく、ということになるのです。

どんなことを考えるの?

では、「戦略」を立てるためにはどのようなことを考えていけばいいのでしょうか。

ここでは、2つの視点を簡単にご紹介したいと思います。

その2つの視点とは、

①モノゴトに対して優先順位をつける

②優先順位の高いものに取り組み、低いものは捨てる

ということです。

①モノゴトに対して優先順位をつける

スポーツマネジメントにおける「優先順位」では、「ステークホルダー」を理解することが欠かせません。

「ステークホルダー」というのは、日本語では「利害関係者」と言われたりしますが、例えば、自分が「スポーツクラブ」という立場で仕事をしているのであれば、ステークホルダーは、

◆ ファン・サポーター

◆メディア

◆行政(国や市区町村)

◆スポンサー企業

◆スポーツ関連企業

◆スタジアム・アリーナ

「スポーツクラブ(球団)」から見たステークホルダーの一例

といったものが考えられます。

これらの関係者たちと、どのように良好な関係を作って、お互いにハッピーになれるかがスポーツマネジメントではとても大切になります。

とは言え、限られたお金やスタッフで、すべての「ステークホルダー」に対して100%の対応をするということはなかなか難しいのです。

なにから優先して手をつけていけばよいのか、ということに正解はありませんが、一般的には、

①それを解決するための「費用(コスト)」はどれくらいかかるか

②それを解決するための「時間」はどれくらいかかるか

③それを解決できたときの「効果」はどれくらい期待できるか

「戦略」における優先順位の考え方

といった3つの要素を考えながら決めていくのがよいとされています。

例えば、チームの最寄り駅で、無料チケットを配ることによってお客さんが何百人、何千人と増えるのであれば、それを実行する優先順位は高くなるかもしれません(多くのクラブがそうしたことをやっていますが、実際にはそんなにうまくいきません・・・)

スポーツチームの例で言えば、一般的にはまず「ファン」を増やしたい、という発想になることが多いですが、Bリーグ 千葉ジェッツの島田社長は、クラブの経営改革にあたっては「スポンサー獲得」を最優先した、と語っています。

このように、戦略の第一歩としては、企業としてあるいは組織としての「課題」や「問題」に対してどこから手をつけていけばいいか、というのを考えることから始まっていきます。

②優先順位の高いものに取り組み、低いものは捨てる

取り組むべき「優先順位」が決まれば、あとはそれに従って実行していくのみですが、ここで必要になるのは、「やらないことを決める = 決断する」 ということです。

スポーツビジネスに関しては、スポーツが元々持っている楽しさや、多くのファンや関係者の期待などもあって、「あれもやりたい! これもやりたい!」 というようになってしまいがちです。

アイデアがたくさん出てくること自体は良いことですが、企業やチームの財政に余裕がないような状況であれば、いますぐ売上アップやコスト削減につながるようなことでなければ、「やらない」という決断をすることも大切です。

最終的には、「やらない」という決断をすることは「リーダー」の仕事です。

野球であれば、「チームでの盗塁数」などは「多いほうがよい」とされています。

盗塁をして1つでも先の塁に進むことができれば、得点できる確率が上がるからです。

しかし、チームの中に足の速い選手や、盗塁に対して意欲的な選手があまりいない場合に「盗塁を増やすぞ!!」といっても急に盗塁数を増やせるわけではありませんし、場合によっては選手のモチベーションが下がってしまうことさえあります。

そこで、リーダー(監督など)としては、「盗塁を無理やり増やすようなことはしない」という決断をすることが大切になってきます。

その代わり、「本塁打を増やす」とか「長打率を上げる」といった今いる選手たちの能力を最大化できるような目標を立てればいいのです。

「こういうことをやります!」といえば基本的に人に嫌われることはありませんが、「こういうことをやりません!」といえば、嫌われる可能性もあります。

スポーツビジネスをやっていくリーダーには、「やらないことを決める勇気」ということも、とても大切になってくるかもしれません。

このように、「戦略」においては、「優先順位を決定して、やることを明確にする」と同時に、「やらないことを決める」という視点も大切なのです。

なぜなら、企業やスポーツ組織が持っている「ヒト・モノ・カネ」といった「資源」は無限にあるわけではなく、限界があるからです。

特に、スポーツ産業全体においては「お金がない」と言われています。

関連記事:日本のスポーツ産業がいまひとつなのはどうして?

「お金がない」のであれば「人を雇う」ということもできないので、当然スタッフも少ない、という状況になります。

スポーツの球団やクラブに就職したい方もいるかもしれませんが、「お金がない、人もいない」という状況の中では、球団としては「なんでもやってくれる人が欲しい」のです。

実際には「なんでもできる人」なんて存在しないのですが、これも球団やクラブが明確な戦略を持って仕事に取り組んでいないがために起こってしまう現象です。

もし、これからスポーツビジネスに関わりたい方は、会社や球団が「戦略」を持っていなかったとしたら、「戦略」を作れるような人になってもらいたいと思いますし、最低限、自分の仕事は「戦略的」にこなせるようになっていただけたらと思います!!

まとめ

今回は、「スポーツマネジメント」において大切となる「戦略」のお話をしました。

現代のビジネスにおける「戦略」というのは、「経営学」で扱われている分野で、「経営戦略」や「事業戦略」と呼ばれたりしています。(とても奥が深く難しい分野です)

今回のおさらいとしては、「戦略」とは、

いまの現状から、どうやってゴールに向かうかを考えて、ストーリーにすること

でしたね。

そして「戦略」においてまず考えることは、

①モノゴトに対して優先順位をつける

②優先順位の高いものに取り組み、低いものは捨てる

という2つでした。

スポーツには、ファンやメディア、スタジアムなど、多くのステークホルダーが関わっているので、そうした人たちとハッピーな関係を築くためにも「戦略」はとても大切なんですね!!

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ABOUTこの記事をかいた人

須賀 優樹

本ブログの管理人。「世界で一番優しくスポーツビジネスを学べる場をつくる!」を目標に、スポーツ業界に入りたい人、活躍したい人をこれまで多数支援。学生時代の専門は「スポーツマーケティング」。現在は大手企業のデジタルマーケティングやビッグデータ分析のコンサルティング、スポーツ団体の新規事業支援などをやっています。