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今回は、スポーツマネジメントを実際に行うにあたって、どういったことをマネジメントする必要があるのかとうことを考えてみたいと思います。
このブログでも、スポーツマネジメントに関しては、「お金にかかわるスポーツマネジメントかどうか」「どんな領域をマネジメントするのか」といったことを解説してきましたが、今回はどちらかというと企業経営的な視点でのスポーツマネジメントを解説します。
その、「企業経営的」なスポーツマネジメントには、これからご紹介する「6つの領域」があるとされています。
このスポーツマネジメントの考え方は、スポーツを行う団体や組織が、営利か非営利か(お金を稼ぐことを目的にするのか、そうでないのか)といったことに関わらず、すべてのスポーツ関連のマネジメントにおいて重要な考え方です。
というよりも、スポーツマネジメントに関わらず、一般の企業経営でも重要となるマネジメントです。
では、1つ1つ簡単に見ていきましょう。
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「マーケティング」で売れる仕組みを作る
マーケティングについては、「スポーツマーケティング」という分野もありますが、基本的には、「自分たちの活動や商品を知ってもらい、好きになってもらうこと」「好きになってもらったら、活動に協力してもらったり実際に商品を買ってもらうこと」ということになります。
もう少しビジネスっぽく言うと、「売れる仕組みを作る」ということですね。
いくら魅力的な試合をやっていたとしても、誰も知らないような山の中でやっているようでは存在を知ってもらうことができませんし、交通の便がよい場所で試合をやったとしても、その試合に魅力がなければチケット代を払ってもらったり、メディアに取り上げてもらうといったことができません。
よって、スポーツの価値を向上させて、その価値を認めてもらうためには、マーケティングは欠かせない活動になるのです。
「政 策」を理解するとスポーツの課題がわかる
政策というのは、国や地方自治体といった行政が、スポーツを使ってどのように国民・市民の豊かな暮らしを作り出すか、といった「方針」や「方策」のことです。スポーツの分野では「スポーツ政策」という言葉や「スポーツ振興」といった言葉が使われる場合が多いです。
よって、スポーツビジネスや、スポーツクラブの運営をする際にも、この「スポーツ政策」を理解して、それに沿ったビジネスやマネジメントをしていくことが必要になります。
日本において、スポーツ政策を主に取り仕切っているのは、文部科学省や、スポーツ庁、経済産業省といった省庁になります。
また、日本スポーツ協会(旧 日本体育協会)や、各スポーツの競技連盟なども、こうしたスポーツ政策やスポーツ振興に関わりを持っています。
日本のスポーツの基本的な理念、基本方針を定める、「スポーツ基本法」という法律もあります。
こうした法律や条令などを守ることによって、きちんとした「ルール」や「倫理」によってスポーツマネジメントは行われる必要があり、それによって多くの人たちにスポーツの価値を届けられる、ということですね。
「組 織」づくりは人財づくり
「組織」というのは簡単に言ってしまえば、「人の集まり」ということです。
部活やサークルなども立派な「組織」です。
スポーツビジネスやスポーツでの何かしらの活動を行うにあたっては、完全に一人だけで行うということは少なく、ほとんどの場合は「組織的な活動」になります。
よって、「スポーツマネジメント」という活動が、何かの目的や目標に向かって進んでいくためには、この「組織」の体制や動かし方といったことをきちんと行っていく必要があります。
部活動などでは、「とりあえず監督やコーチの言う通りにやっておけばいい」ということがあるかもしれませんが、「スポーツを仕事にする」となると、「誰かの言うとおりにやってればいい」というのは通用しませんし、それではビジネスを良くしていくことができません。
したがって「組織」は自分たちが納得できる体制であるか、運営がされているのかどうか、ということを常に確認して改善する必要がありますし、それによって組織全員の一体感や情報共有、モラルの統一といったことが実現できます。
「組織」については、スポーツマネジメントの分野で学ぶというよりも、一般的な経営学や、行動科学、心理学といった分野を活用していくことが必要で、興味のある方はそうした分野を学ぶと良いと思います。
「資 源」を上手く活用して価値を生み出す
「資源」というのは少し難しい言葉でイメージが湧きにくいかもしれませんが、よく言われるのは「ヒト・モノ・カネ」といったことです。
企業においての一番の財産は「ヒトである」と言われたりするように、スポーツマネジメントにおいては人材が非常に大切です。(スポーツに限らずですが。。。)
スポーツ産業は他の産業と比較して「お金がない」と言われているので、なかなか「人材」にお金をかけることができません。
プロ野球選手は何億円も稼いでいるじゃないか! という声が聞こえてきそうですが、スポーツ選手が活躍できるのはわずか数年ばかりですし、彼らは労働者というよりも、「商品そのもの」であると言えるので、必然的に価格が高くなってしまうのです。
それはともかく、優秀な人材がスポーツ産業に入ってこなければ、より価値の高いビジネスを作り出すことは難しくなりますので、スポーツ産業にも働き方改革や待遇改善といったことが非常に大切です。
「モノ」というのは、チームで例えれば、「5万人が入れるスタジアムを持っている」とか、「他のチームは導入していない最新のスカウティングシステムがある」といったことです。
「モノ」は、実際に手に触れるものでも、そうでないものでも「資源」として扱うことができます。
「カネ」は言うまでもなく「お金」のことですが、これは「お金をたくさんもっているかどうか」ということのみならず、お金をうまく集めることができるか、お金をうまく使うことができるか、といったことも重要になってきます。
スポーツマネジメントの関連では、お金のやりくりを扱う分野として「スポーツファイナンス」という分野がありますが、「スポーツファイナンス」については研究している人が少なく、なかなか学ぶ機会が少ないので、「スポーツファイナンス」の講義が大学などにない場合は、一般的な「会計学」や「金融学」といったものを学ぶと良いと思います。
まとめると、スポーツマネジメントでは、なるべく質の高い資源を集めて効率的に使い、最大限の効果を出す、ということが必要です。
「環 境」を常に把握して「ビジネスを良い方向へ」
ここで言う「環境」というのは「地球環境をよくしよう」とか「ゴミをなくそう」といったことではなく、スポーツマネジメントを実施するにあたって、自分たちの「中」で起きていることと、「外」で起きていることをきちんと認識して対処しよう、ということです。
(もちろん、スポーツを通じて「環境問題の解決」といったことも重要です)
自分たちの「中」で起きていること、というのは、「組織の中でのそれぞれの仕事は上手くいっているのかどうか」とか、「顧客を管理するシステムはちゃんと動いているのか」、といったような、「自分たちがやってきたこと、やっていること、やろうとしていること」などを意味します。
一方、「外で起きていること」というのは、ライバル会社の状況であったり、国際的な経済状況や、世間の動向といったことが挙げられます。
経営学的な言い方では、「内部環境」「外部環境」といった呼び方をします。
スポーツマネジメントにおいては、内部環境のみならず、外部環境もしっかりと認識をして分析し戦略を立てていく必要があります。
スポーツを「競技」という特徴からみれば、そこには必ず「対戦相手」がいるわけですし、対戦相手のことをまったく知らないで戦うよりも、きちんと分析してから戦うほうが勝てる確率が上がるということは、理解しやすいと思います。
ところが、一般の企業では、自分たちのことばかりを気にして、相手のことをほとんど知らない、分析していない、ということがよく起こります。
そういう意味では、「外部環境」をきちんと理解することは一般の企業よりもスポーツ業界のほうが得意かもしれませんが、スポーツ業界はビジネスそのもののレベルを上げることが課題と言えそうです。
「他領域の知見」を得て、ビジネスのレベルを上げる
「他領域の知見」というのは、スポーツマネジメントに関わるような周辺分野や、一般的にビジネスで扱われている分野の情報や研究成果を活かす、という意味です。
スポーツマネジメントでは様々な人のスポーツ活動に関わることになりますので、ヘルスケア関連の知識やスポーツ科学といった分野の知識や情報も必要になる場合があります。
また、高齢者を対象にするのであれば看護あるいは介護や福祉、子どもを対象にするのであれば発育や知育、教育といった分野の知見も必要になるでしょう。
最近では、ビジネスにデジタル技術を活用することも増えています。
インターネット関連の知識やデジタルマーケティング、IoT(モノのインターネット)や、AI(人工知能)といった知識や活用ノウハウもスポーツ産業にとって重要となってくるでしょう。
まとめ ~スポーツにも企業経営の視点を~
今回は、\「スポーツマネジメント」を企業経営的な視点から考える【すべてのスポーツ団体に必須】/というテーマで、スポーツマネジメントを実際に行うにあたって実際に必要となる6つの領域について解説していきました。
その6つとは、
✔ マーケティング
スポーツマネジメントを構成する6つの領域
✔ 政策
✔ 組織
✔ 環境
✔ 資源
✔ 他領域の知見
というものでしたね。
日本のスポーツは、これまで「競技をマネジメントする」ということは得意でした。高校野球などのアマチュアスポーツでさえ、勝つために徹底的に練習したり対戦相手を研究したり、戦略や戦術を立てています。
こうした例は、世界的には珍しいのです。
一方、「スポーツをビジネスとして捉えたときのマネジメント」はアメリカなどと比較してしまうと、あまり上手ではありませんでした。これは、スポーツ業界だけではなく、一般の企業にも当てはまることです。
こうした「企業経営的なマネジメント」は、どんなスポーツビジネスやスポーツ活動を行う際もますます重要になってきますので、しっかり理解しておきたいですね!!
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