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スポーツイベント運営に役立つ【プロジェクトマネジメント】を理解しよう!

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須賀 優樹
「ゼロからのスポーツビジネス入門」の運営代表として、「世界イチわかりやすいスポーツビジネス・マネジメント」を情報発信。産業能率大学にてスポーツマネジメントを教えています。スポーツ業界就職や起業相談、スポーツ組織向けコンサルティングも好評。

今回は「スポーツイベント」を運営するために必要な、「プロジェクトマネジメント」について解説していきたいと思います!

スポーツイベントは「参加したことはあるけど、自分が企画や運営をする側になったことがない」という人が多いと思います。

スポーツイベントを作る・運営する」ということは、考えないといけないことや、やらなければならないことがとても多く、参加者が数十人程度のイベントであっても想像以上に大変です。

そんなときに、「スポーツイベントを作って運営するときは、こういうことを意識して取り組めばいいのか!」と理解しておくことが大切になります。

そういうわけで、今回は「スポーツイベントの企画・運営」の際に大切になる「プロジェクトマネジメント」について、考え方や取り組みのコツをご紹介したいと思います! イベントの企画担当になった方や、スポーツイベントについて調べている方などに役立てれば嬉しいです!


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イベント作りで必ず押さえたい「6つ」のポイント!

まず初めに「スポーツ」に関わらず「イベント」というものを作り上げていくために必ず押さえておきたいポイントを6つ紹介します。それが以下の6つです。

  1. イベントを開催する「目的」を明確にすること
  2. 「誰」に対してイベントを開催するか明確にすること
  3. イベントの「テーマ」や「コンセプト」を明確にすること
  4. イベントの「目的」に合った「プログラム」を作ること
  5. イベントを知らせるための「広報」の戦略を作ること
  6. イベントを企画・運営するための「予算」や「財源」を確保すること

まず大事なのは、「イベントを開催する目的」をしっかりと決めることです。「何のためにこのイベントを開催するのか」「何を成し遂げればこのイベントは成功と言えるのか」ということをはっきりと決めることが大切です。当たり前のようですが、意外と難しいことです。

次に、誰に対して」イベントを開催するのかを考えることです。子どもなのか高齢者なのか、どこに住んでいる人たちか、どんなことに興味を持っている人たちか、など、イベントを開催する上での「ターゲット」を決めることが大切になります。どうしても人を集めたいために「誰でも参加してよいイベント」を作りがちですが、これをやってしまうと「誰の役にも立たないイベント」になりがちです。

イベントの「テーマや「コンセプト」を明確にすることも大切です。イベントを通じて、参加者に何を伝えたいのか何をしてほしいのか何を感じてほしいのか、といったことを決めていきます。単に「サッカーを教えるイベントです」では面白みが全くありませんので、「パスが上手になることに特化した練習をするイベントです」のように、方向性を明確にすることが大切です。

イベントの「目的」に合ったプログラムを作ることもとても大切です。上記の「サッカー教室」の例で言えば、「パスが上手になることに特化した練習をするイベント」と打ち出しているにも関わらず、実際の練習内容がドリブルの練習だったりフィジカルトレーニングの練習だったりすれば、イベントの「テーマ」と「プログラム」が合っていない、ということになります。この場合は「パスが上手になるための練習」をしっかりとプログラムの中に入れる必要があります。

イベントを知らせるための「広報」活動もとても大切です。せっかくいい企画を作って万全の運営体制を整えても、「誰もそのイベントの開催を知らない」「ほとんど興味を持たれていない」としたら、とてももったいないことです。イベントの「ターゲット」に合わせて、どんな媒体を使うか、どんな場所で告知するか、どんな言葉で伝えるか、どういうタイミングで告知するか、といったことを考えていく必要があります。

最後は「予算や財源の確保」です。どんな小規模なイベントでも「お金」がかかります。運営者や企画者が「ボランティア」でお金をもらわないとしても、イベントを運営するための会場の使用料や物品の購入、上記の広報活動など、色々な部分にお金がかかります。

イベントの企画・運営をするときにはしっかりと予算や財源を確保して、管理をしていかないと、「イベントはいまひとつ盛り上がらなかったし、大赤字になってしまった」という事態になりかねません。

このように、イベントを作っていく際には必ず押さえておきたいポイントがありますので、こうしたことをしっかりと念頭に置いてスポーツイベントの企画や運営に取り組んで行くことが大切になります!

「プロジェクトマネジメント」がスポーツイベントの成果に直結する!!

ここから「スポーツイベントのプロジェクトマネジメント」の話をしたいと思います。

プロジェクトマネジメント」という言葉はあまり聞いたことがない人も多いかもしれませんが、特にIT業界でよく使われる言葉です。新しいシステムの開発・導入や、新規事業を作るためのプロジェクトの際に使われるマネジメント手法のことを言います。

プロジェクト」という言葉については、アメリカの「プロジェクトマネジメント協会」という組織が、以下のような定義づけをしています。

プロジェクトとは

独自の成果物、またはサービスを創出するための期限のある活動

パッと読んでも理解しにくいと思いますが、簡単に言えば「ある限られた期間の中で、オリジナリティのある商品やサービスを作り出していくための活動」ということです。

よって、「スポーツイベントを企画し運営する」という活動も「プロジェクト」として捉えることができます。

プロジェクトマネジメント」が扱う範囲はとても広いため、ここでは特に重要なポイントだけを解説します。

特に重要となるのは以下の3つをしっかりとマネジメントすることです。

  • 「成果物」のマネジメント
  • 「課題」のマネジメント
  • 「スケジュール」のマネジメント

「成果物」のマネジメント ~様々な「成果」を管理する~

成果物というのは、何かしらの仕事が完了したときに、成果として完成するもののことです。つまり「異なる2つのチームが対戦する」のであれば「試合」というものが成果物になりますし、「人気のある選手の名前を入れたグッズを開発する」のであれば、「選手の名前入りタオルマフラー」などが成果物になる、ということです。

成果物はこうした「お客さんの手元に届くもの」以外にも、イベントを企画する際の「企画書」であったり、イベント関係者間での会議の際の「会議の議事録」なども成果物になります。

「スポーツイベントの企画・運営」を実施していく際にはありとあらゆる「成果物」が生み出されていくことになりますが、そうした成果物の作成方法」「共有方法」「作成する人物」「タイミング」「作成物の保管場所」などのルール」をきちんと決めて、マネジメントしていくことが大切になります。

「課題」のマネジメント ~「課題管理」がプロジェクトのキモ~

スポーツイベントのプロジェクトを進めていく上では、様々な「課題」が日々発生していきます。

例えば、「想定していたプログラムが実際には開催できないかもしれない」とか「使用を予定していた会場が使えなくなるかもしれない」とか「プロジェクトの中心メンバーだった人が退職してしまう」などなど、「ヒト・モノ・カネ」にまつわる様々な課題が起こり得ます。

そうした「課題」を適切にマネジメントすることがスポーツイベントづくりにも求められてきます。

課題」のマネジメントとしては特に以下の4つが必要となります。

  • 発見する : 成果物の完成のために、解決するべき課題を見つけ出すこと
  • 共有する : 関係者の間で課題を共有し、重要性や優先度などを認識合わせすること
  • タスク化する : 課題を解決するために「作業単位」に分解し、担当と期限を決めて割り振ること
  • 監視・把握する : タスクの進捗状況について経過と結果を記録すること

2019年に日本で開催された「ラグビー・ワールドカップ」では、大会の開催中に大型台風が日本列島を襲い2試合が中止となりました。また、2021年に開催された「東京オリンピック2020」では、当初「東京」で開催が予定されていたマラソンがIOCの一声で「札幌」に変更されるなど、スポーツイベントには予想外・想定外のリスクが常に付きまといます

こうした「課題」にいかに対応できるかが「スポーツイベント成功の可否」を握ると言っても過言ではないと思います。

「スケジュール」のマネジメント ~時間を有効に使うこと~

スケジュール」のマネジメントというのはイメージがしやすいと思います。「いつまでに・だれが・なにを・どのような状態にしなければいけないか」ということをマネジメントするということです。

スケジュールのマネジメントの際には、プロジェクトの「業務内容」と「期間(期限)」を一覧にした表を使う場合が多いです。「バーチャート」や「ガントチャート」などと呼ばれる表です。

ガントチャートのイメージ

こうしたガントチャートはExcelやGoogleのスプレッドシートといった表計算ソフトで作ることもできますが、プロジェクトの規模やタスク量、関係者が多い場合などにはガントチャート作成・運用に特化したツールを使ったほうが良いです。

例えば、Backlog(バックログ)」Asana(アサナ)」といったようなプロジェクトのタスク・スケジュール管理に特化したツールです。

大企業のプロジェクトマネジメントではこうしたツールをプロジェクト単位、部署単位などでライセンス契約をして導入している場合が多いと思いますが、スポーツ業界ではまだまだこうしたツールを導入してのプロジェクトマネジメントは進んでいないと思います。

少人数で運営しているような企業やクラブであればExcelなどの無料ツールでも十分かもしれませんが、それなりの規模の企業やイベントを開催しようとするのであれば、こうしたツールを導入してプロジェクトの課題管理やスケジュール管理をしていったほうがより効率よく、効果的なマネジメントができると思います!

参考文献 : スポーツイベント検定公式テキスト 著 一般社団法人 日本イベント産業振興協会

まとめ ~スポーツ業界にも、プロジェクトマネジメントを!!~

今回は\スポーツイベント運営に役立つ【プロジェクトマネジメント】を理解しよう!/というテーマで、スポーツイベントの企画・運営をする際に大切になるポイントと「プロジェクトマネジメント」について解説しました!

プロジェクトマネジメント」の考え方や手法は、「スポーツイベント」を作るときだけではなく、商品開発やサービス開発、新規事業、既存事業のモデルチェンジなど、あらゆるビジネスのシーンで使うことができます

どの業界でもそうしたプロジェクトをリードしていける「プロジェクトマネージャー」という役割を担える人が足りていないと言われています。

もちろんスポーツビジネスの場面でも「プロジェクトマネージャー」は全然足りていないと思いますので、「プロジェクトマネジメント」のスキルを持った人がもっとスポーツビジネスの場面で活躍してくれたらいいなと思います! (私もまだまだ勉強中です)


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