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野球やサッカーなどを観たり、スポーツニュースなどをテレビやインターネットで見ていると、「スポンサー」という言葉を聞くことがあると思います。
実は、スポーツやスポーツビジネスというものは、この「スポンサー」という存在をなくしては、活動することすらできない、という場合もあるのです。
今回は、この「スポンサー」というのはいったいどういう意味で、何をすることが目的なのか? というテーマで解説していきます。
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「スポンサーシップ」とは何か?
スポーツの中継で「私たちはラグビー日本代表を応援しています」といったような企業のCMが入ったり、スタジアムの中で企業名が入った看板をたくさんみかけることがあると思います。
こうした企業は「スポンサー」と呼ばれ、スポーツを利用することによって企業の認知度のアップや、より多く商品を買ってもらうために、スポーツイベントやスポーツ組織にお金を払って、「自分の会社の商品やサービスを宣伝する権利」を買っているのです。
スポーツのスポンサーシップに関しては、オリンピックやワールドカップといった大きなスポーツイベントでの「スポーツと企業」といった関係で語られることが多くなっていますが、地域などで開催される小規模なイベントや、アマチュアスポーツにおいてもスポンサーシップは存在します。
例えば、町内会の野球大会で、近隣のお店がグラウンドでご飯や飲み物を売ったりすることがありますが、それも立派なスポンサーシップになります。
ですので、「スポンサー」というのは必ずしも「企業」である必要はなく、商店街の魚屋さんや八百屋さんのような小さな個人商店もスポーツのスポンサーになることができますし、個人事業主として仕事をしているような人でも、スポンサーになることはできるのです。
なぜ「スポンサーシップ」というものが存在しているのか?
では、なぜスポーツ団体はスポンサーシップを必要とするのでしょうか。 また、企業はなぜスポーツにお金を払って自社の広告を出すのでしょうか。 スポーツ団体がスポンサーシップを行う一番の理由は「お金が欲しいから」です。
スポンサーシップは、企業がスポーツ団体に「契約料」を支払うことによって、スポーツ団体はロゴマークや選手を、企業のCMに起用したり、商品に印刷することができるといった「権利」を与えます。 スポーツ団体が得られる収益としては、
✔ チケット収入
✔ グッズ収入
✔ 放送権利料
といったものがありますが、中でも「スポンサーシップによる収入」というのは金額が大きく、「チケット収入」と違って、「日によって売り上げが変わる」といったことがないため、安定した収益源になるのです。
例えば、2019-2020シーズンのBリーグで、B1に所属していたクラブの収入の内訳を見てみると、売り上げ全体の60%近くが「スポンサーからの収入」ということが分かります。
参考サイト:【2019年度】Bリーグ全クラブの決算・経営情報をグラフ化。営業利益やスポンサー収入が多いのはどのクラブ? SPODIGI
Bリーグなどのプロスポーツクラブ経営では、一般的にはファンの人が直接購入することができる「チケット収入」や「グッズ収入」などが大きな収入源であるというイメージがあるかもしれませんが、実際にはそれらの収入はそれほど大きな金額ではなく、「スポンサー収入」によってクラブ経営が成り立っていると言えます。
一方で、なぜ企業はわざわざスポーツに対してお金を払って「スポンサーシップ」を行うのでしょうか。 それは、「スポーツを使う」ことによって将来的な稼ぎが大きくできるからです。
企業がワールドカップやオリンピックといったイベントのスポンサーになると、その大会の試合が中継されているCMで、自社の宣伝をすることができます。
現在の多様化しているライフスタイルの中で、何百万人、何千万人という人が同時に同じ番組を視聴するということは、スポーツイベント以外ではほぼ不可能な状況になっています。
2019年のラグビーワールドカップにおいては「にわかファン」という言葉が注目されましたが、国民的番組と言われ続けてきた「紅白歌合戦」でさえ、「にわかファン」を何百万人、何千万人と獲得することはできないでしょう。
それだけ「世間」の注目を集める力の強い「スポーツ」というものは、企業にとっては格好の「宣伝の場」として利用できるのです。
先ほどのBリーグの例を見ても、「スポーツには広告宣伝としての価値がある」というのが分かると思います。
ただし、基本的には、企業がスポンサーシップを実施した効果は、すぐに表れるわけではなく、時間がかかるとされています。
なぜなら、スポーツファンが、スポンサーシップをしている企業やブランドに愛着を持ち、実際に商品やサービスを購入するまでに時間がかかるからです。
しかし、ワールドカップやオリンピックのような巨大なイベントでは、その試合にCMを出すだけで商品が飛ぶように売れていくという現象が起きます。
もちろん、大会のロゴマークや選手の写真などを商品にくっつけるといった、ファン心理をくすぐる仕掛けがあることは事実ですが、実際に2019年のラグビーワールドカップのスポンサーになっていた「ハイネケン」(国内での製造・販売はキリンが権利を持つ)は、ワールドカップ期間中の9~10月の販売量は前年同期の2・8倍だった、と報告しています。
少し話がそれますが、「ビール」というものは日本国内では「若者離れ」が顕著だといわれており、ビール出荷量は14年連続で過去最低を記録している、という報告もあります。
以前は、「飲み会の一杯目はビール」という暗黙の決まりのようなものがありましたが、最近ではそれぞれの参加者が自分の好きなものを最初から注文できるように、世間の空気も変わってきているように感じます。
※私もビールはあまり好きではないので、「一杯目はビールでいいですよね?」と聞かれるとちょっと困るときがあります 苦笑
そうした中で、「前年比2.8倍」、というのは驚異的な数字です。
それほどラグビーワールドカップのスポンサーシップ効果は高かったのです。
したがって、スポーツには「競技そのものが面白い」という価値だけではなく、そのスポーツが持つ雰囲気や、ファンの関心といったことを利用して、企業が付加価値をつけて一見するとスポーツとは関係のないモノの価値を高めることができるという特徴があるといえます。
スポーツ団体がファンだけではなく、支援してくれる企業、スポンサーといったものを大事にすることも、お互いの価値を高める上で重要なポイントなんですね!
まとめ ~スポンサーとしてスポーツに関わるのもアリです~
今回は、\スポーツのスポンサーシップってなに? スポーツと企業の共存/というテーマで、スポーツにおける「スポンサーシップ」についての意味や必要性について簡単にご紹介致しました!
「スポンサーシップ」は、
✔ スポンサーシップはスポーツを利用して、スポンサー(主に「企業」)が商品やサービスの宣伝・販売をできる権利のこと
✔ スポーツ組織にとっては大きな契約金を得ることができ、スポンサーにとってはイメージアップや新たな顧客を獲得できる
✔ スポンサーシップを成り立たせるためには、スポーツ組織とスポンサーの両方にとって得るものがあることが大切(Win-Winの関係)
スポンサーシップの意味と意義
というものでしたね!
スポーツにとってはスポンサーシップは欠かせないものになっています。
スポンサー(企業)にとっても、人気のあるスポーツの支援をすることは大きなビジネスチャンスを得ることができるのです。
「スポーツ関連の仕事がしたい!」という方は、プロスポーツクラブやスポーツ用品メーカーなど、「スポーツそのものの価値を販売する」というようなビジネスに真っ先に興味が向かう方が多いですが、「スポンサー」としてスポーツに関わるというのも、スポーツビジネスの醍醐味だと思います。
ぜひ、「スポンサー」にも注目してスポーツビジネスを色々と学んでみてください!
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