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「スポーツマーケティング」が分かりにくい理由

今回は「スポーツマーケティング」はなぜよくわからないのか? というテーマで書きたいと思います。

ときどき、「スポーツマーケティングを学びたいのですが、どうしたらいいですか!?」という方から相談を受けたりすることがあります。

将来的に「スポーツビジネスに関わりたい」と思っている学生さんや20代の方で「スポーツマーケティング」というものに関心がある方が割と多いのかなと思います。

「スポーツマーケティング」という言葉自体がなんだかカッコいい!感じがしますし、「スポーツ政策」とか「スポーツ産業」といったことに比べると、いかにもスポーツビジネスっぽい感じがして、「学んでみたい!」という気持ちが湧いてくるのかもしれませんね。

でも、いざ「スポーツマーケティング」を学ぼうとすると、学べる場も限られてきますし、なんだか難しくて挫折してしまう人も多いのではないでしょうか?

なので、「スポーツマーケティング」の学習に挫折してしまう理由と、どうすればもっと簡単に理解ができるのか? という視点を少しご紹介できればと思います。

わかりにくい理由① 文章が読みづらい

私が学生時代は「スポーツマーケティング」に関する本や情報というのは、それほど多くはありませんでした。

でも、今はAmazonで検索したり、大きい本屋に行ったりすると「スポーツマーケティング」というテーマで書いてある本が結構多いことに気が付きます。

それだけ、ここ10年くらいで日本のスポーツマーケティング分野が発展してきているということでもあります。

「スポーツマーケティング入門」と書いてあるような本もいくつかありますし、このブログでもおススメの書籍としていくつかご紹介している本もありますが、だいたいの人は、数ページ読んでみて挫折してしまうと思います。

関連記事:これからスポーツビジネスを学ぶ人におススメな

なぜ「入門すらさせてもらえないのか」というと、ズバリ「文章が読みづらい・難解」だからだと思います。

書いてある内容はとても良いのに、文章が読みづらい・難しくて読者の理解度を下げてしまっているもったいない本がいくつかあります。

そうなってしまう理由の大きな一つは、「スポーツマーケティングに関するほとんどの本は大学の偉い先生方が書いている」からです。

大学の先生たちは、日頃から「スポーツマーケティング」に関することをひたすら研究しています。

国内や海外で発表されるスポーツマーケティング関連の論文だったり、自らが論文を書いて学会で発表することもあるでしょう。

これはスポーツマーケティングという分野に限りませんが、大学の先生が書く教科書というのは、大体の場合、「文章や言葉づかいが難しくて読みづらい」というものになってしまいます。

例えば、スポーツマーケティングの分野で著名な先生が書いた本の最初の部分には、スポーツマーケティングの説明として、

顧客のために新しい事業を創造し、(中略)社会に変革を促そうとするポジティブなマインドこそがマーケティングに意味を与える

と書いてあります。

この文章を見ると、スポーツマーケティングというのはとても難しそうな気がしてしまいますが、言っていることは、

お客さんのために新しいビジネスを作って、そのビジネスによって社会を良い方向に変えていくことがマーケティングでは大切です

というだけのことです。簡単ですよね?

大学生や、大学出身の方はよくわかると思いますが、大学1年生になって様々な講義を履修する際に「授業で使う教科書」を指定される経験があると思います。

このときに「指定される本」というのは、とても分厚くて、文字だらけで、難しくて、見るだけで嫌になってしまうような本が多かったのではないでしょうか?

これとまさに同じことが「スポーツマーケティング」という分野を学ぶときに起こってしまうという訳です。

誤解のないようにお伝えしておくと、私はスポーツマーケティングを研究されている方や大学の先生たちを否定している訳ではありません。

そうした、スポーツマーケティングを日々研究したり世の中に論文や書籍という形で発信してくれる方がいるからこそ、スポーツマーケティングは発展していくのですから、尊敬するべき方々です。

でも、「研究論文」や「教科書」というのは、「きっちりと」「正確に」書く必要がありますから、読者としては、それが必ずしも「理解しやすい」ものではない、ということです。

出版社があえて「難しい表現や用語」を本の中に入れて、すごそうな本のイメージを作り上げている、ということもあるかもしれません。

なので、本や論文を読むことに慣れていない高校生や大学生が、いま存在している「スポーツマーケティング」に関する本を読んでも、「ほとんど理解できない」「ついていけない」ということになってしまうのだと思います。

これが、「スポーツマーケティングが分かりにくい」という理由の1つめです。

理由② 専門用語が多い

これは、スポーツマーケティングに関わらず、一般的なマーケティングや、マネジメントといったことにも言えることですが、とにかく「専門的な言葉・用語」がたくさん出てきます。

スポーツマーケティング入門」のような本でも、以下のような言葉が普通に使われています。

● スポーツマーケター
● セグメント
● 製品ライフサイクル
● マーケティング・ミックス
● マーケティング・リサーチ
● ターゲティング

スポーツマーケティングに登場する専門用語たち

これらの言葉の意味がパっと理解できる人は、スポーツマーケティングの本を読んでも理解が進むと思いますし、わざわざスポーツマーケティングを学ぶために大学に行く必要もないかもしれません。

ですが、大半の高校生や大学生(特にビジネス系の学部ではない人)にとっては、サッパリ意味の分からない言葉だらけのはずです。

スポーツマーケター」という言葉には「スポーツ」という単語がついていますが、他の言葉に至っては、「スポーツ」という言葉が一切ありません。

ちなみに「マーケター(Marketer)」というのは「マーケティングの仕事をメインとしている人」という意味です。

「YouTube」にたくさん動画をアップして生計を立てたりする人のことを「ユーチューバー」と言ったりしますが、それと似たような感じです。

他の用語については、ここで解説すると終わらなくなってしまうので、この記事では解説いたしませんが、ここで挙げたような専門用語は、すべて「一般的なマーケティング」で扱われるような意味や概念の言葉です。

「スポーツマーケティング」というものは、一般的な「マーケティング」と全く別物、というわけではなく、あくまで一般的なマーケティングをベースにしながら、発展してきている分野です。

特に「マーケティング」はアメリカで大きく発展してきた分野ですので、元々は英語で表現されている言葉をカタカナで表現しているため、どうしても横文字が多い、という特徴があります。

だからアメリカは、スポーツという分野においてもマーケティングが上手い、ということです。

なので、「一般的なマーケティングを理解していなければ、スポーツマーケティングも理解できない」というのが、スポーツマーケティングをいきなり学びはじめた人が挫折してしまう大きな理由の2つ目、ということになります。

理由③ 「スポーツ」というもの自体の特殊性がある

ここまでは、スポーツマーケティングがわかりにくい理由として、

① スポーツマーケティング関連の本は、書かれている文章が読みづらい
② マーケティングの専門用語がたくさん出てくるため、ついていけない

ということを解説しました。

そして、スポーツマーケティングがわかりにくい理由の3つめは、「スポーツ」というもの自体が、色々な目的で行われるので、その目的の違いによってマーケティングが変わってくる、ということです。

これは「スポーツマネジメント」を学んだり、実践するときにも同じことが言えます。

どういうことかと言うと、このブログでも度々ご紹介しているように、スポーツビジネスの分け方の1つとして、

✔ 「する」スポーツのビジネス

✔ 「みる」スポーツのビジネス

二種類のスポーツビジネス

というものがあります。

関連記事:スポーツマネジメントはどんなことをマネジメントするの?

関連記事:「スポーツビジネス」って「何を」売ってるの?

「する」スポーツのビジネス、というのは、スポーツジムやフィットネスクラブ、サッカースクールやヨガスタジオといったような、お客さんが実際に「スポーツをする」ことを通じてお金を得るビジネスのことです。

「みる」スポーツのビジネスは、プロ野球やJリーグなどのように「試合」をお客さんに観てもらうことによって成り立つビジネスのことです。

スポーツマーケティングにも、「するスポーツ」に重点を置いた理論や本と、「みるスポーツ」に重点を置いた理論や本があります。

これが、ごちゃごちゃになってしまうことが、スポーツマーケティングが分かりにくい3つ目の理由です。

日本のスポーツは昔から、「体育」や「教育」といった視点から発展してきました。

関連記事:日本のスポーツ産業がいまひとつなのはどうして?

なので、どちらかというと日本型のスポーツマーケティングやマネジメントは、「運動する人をいかに満足させられるか」「どんなプログラムやイベントを作るか」「どんなスポーツ施設が多くの人の役に立つか」といった「するスポーツ」の視点で発展してきています。

基本的には「地域の中で住民のみんなが楽しめるスポーツ」をどうやって作りだすか、運営するか、というのが目的で、「大きなお金を稼ぐビジネスを作り上げるマーケティング」ではありません。

一方、「みるスポーツ」として大きく発展してきた、オリンピックやワールドカップ、アメリカのプロスポーツなどでは、スポーツを大勢の人に「みせる」ことによって、多くの企業やテレビ局などを巻き込み、世界的な規模で莫大なお金を生み出すマーケティングを開発してきました。

こうしたスポーツマーケティングに日本で大きく関わってきたのが大手広告代理店の電通(でんつう)という企業です。

したがって、日本で「みるスポーツ」のマーケティングに関する研究や書籍を出版している人は、元電通の人が多くなっています。(私が大学院でスポーツマーケティングを研究していた際も、元電通の海老塚修先生(当時慶應義塾大学院教授)のゼミに入っていました)

このように、「スポーツ」というもの自体が「みる」や「する」という様々な目的で活動されるものであるため、マーケティングも1つのやり方ではなく、それぞれに合ったものが必要となります。

これが「スポーツマーケティングはよく分からない」という大きな理由の3つ目です。

スポーツマーケティングはこうやって学んでみよう

じゃあスポーツマーケティングは自分で勉強するのは無理なのか?」という声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません!

大学やセミナーなどに行かなくても、自分で勉強することはできます。

その方法を少しご紹介したいと思います(マーケティングが全く分からない人を想定しています)。

それが、以下のような学び方です。

① マーケティングとはそもそもなんなのか? ということを学ぼう

② マーケティングに出てくる言葉の意味を理解しよう

③ スポーツが持つ「特徴」を理解しよう

④ スポーツに関わる人々や団体・企業を理解しよう

⑤ スポーツマーケティングの本を読んでみよう

⑥ 自分でスポーツマーケティングをやってみよう

スポーツマーケティングの学び方

まずは、「マーケティング」とはなんなのか? ということを学ぶことが第一歩ですね。

専門用語などがたくさん書かれた本を読むと挫折してしまいますので、具体的なビジネスの事例を使って書かれた以下のような本や、漫画で描かれた本をまず読んでみるのが、おススメです。

こうした本を読んで、ザっと「マーケティングってこんな感じか!」というのが理解できたら、「スポーツマーケティング」にも出てくる、「マーケティングの専門用語」とその意味を少しずつ覚えていきましょう。

こういう本がおススメです。

「セグメンテーション」「ポジショニング」「ターゲティング」といった言葉は、マーケティングの基本とされているので、こうした基本的な言葉の意味だけでも理解すると、スポーツマーケティングを学ぶときにスイスイ進みます!

関連記事:これからスポーツビジネスを学ぶ人におススメな

マーケティングをある程度理解できたら、「スポーツの特徴」について理解していきましょう。

スポーツには、他の業界の商品やサービスとはちょっと違った特徴があったりします。

こうした記事を参考にしてみてください。


「スポーツビジネス」って「何を」売ってるの?

✅ 「スポーツ」の特徴ってなに? 「売る」視点からみたスポーツ

スポーツが「商品」になった理由

スポーツマネジメントの3つの特徴が分かる!

スポーツの特徴も理解できたら、スポーツビジネスやマーケティングをするにあたって関わってくる色々な組織や企業のことを学んでいきましょう。


✅スポーツのスポンサーシップってなに? スポーツと企業の共存

プロスポーツがメディアに愛される理由

「スポーツ施設」は3つの種類で成り立っている

「スポーツ産業」ってどうやって成り立ってるの? 「スポーツ用品」産業の巻

ここまで来たら、スポーツマーケティングの本を読んでみましょう。最初に比べると、だいぶ理解できるようになっていると思いますよ!!

おススメはこれ↓

マーケティングが全く分からない状態では、ほとんど理解できないと思いますが、マーケティングがある程度理解できていれば、上記の本もそんなに難しくないと思います。

ここまでくれば、あとは「自分でスポーツマーケティングをやってみる」のみですね!!

例えば、

✔ 自分の好きなチームはどんなマーケティングをやっているのか?

✔ 自分がやりたいスポーツの仕事ではこんなマーケティングが必要なのでは?

✔ マーケティングをすることによって、自分が好きなスポーツにはどんな可能性がありそうか?

自分で考えるスポーツマーケティング

といったことを自分なりに考えてみるとよいと思います。

いいアイデアが浮かんだら、Twitterやインスタなどで発信してみるのもいいですね!!

スポーツ業界の人の目に留まって、スカウトされることもあるかもしれません!

「スポーツマーケティングの学び方」に関しては簡単にご紹介しましたが、まずは「マーケティングを知る」ということが、遠回りのようで一番大切なことになります。

スポーツマーケティングのここが意味わからない!」とか「私の好きな競技でスポーツマーケティングをもっと上手くやるにはどうしたらいいですか!?」といったお悩みがある方はぜひLINEでご相談くださいね!


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須賀 優樹
須賀 優樹
本ブログの管理人。「世界で一番優しくスポーツビジネスを学べる場をつくる!」を目標に、スポーツ業界に入りたい人、活躍したい人をこれまで多数支援。学生時代の専門は「スポーツマーケティング」。現在は大手企業のデジタルマーケティングやビッグデータ分析のコンサルティング、スポーツ団体の新規事業支援などをやっています。