スポーツの「グッズ販売」はどうすれば稼げるか? 【売れる「価値」の作り方】

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ユウ
「スポーツやスポーツビジネスの魅力を多くの人に知ってもらいたい」という想いから当サイトを運営。スポーツビジネスを学びたい、携わりたいという人に向けて情報発信。大学教員として大学生にスポーツマネジメントを教えた経験もアリ。

今回は、プロスポーツやワールドカップ、オリンピックのような「みるスポーツ」ビジネスにおける、「グッズ販売」の仕組みについて解説したいと思います。

みなさんも、好きなチームや選手のグッズをついアレコレ買ってしまうことありますよね?

みるスポーツ」のビジネスというものは、基本的には以下のような4つの収入源で稼いでいます。

✔ チケット収入

✔ スポンサー収入

✔ 放送権収入

✔ マーチャンダイジング(グッズなど)

プロスポーツビジネスの4つの収入源

プロ野球チームやサッカークラブ、スポーツイベントにとって「グッズ収入」というものはなくてはならない収入源なのです。

なので、球団はファンが欲しくなるようなグッズを日々考えて、開発して、販売しているのです。

そんな「グッズ収入」のカラクリを知ることで、「みるスポーツ」のビジネスから収益を上げるヒントが色々と見えてきます。


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「グッズ販売 = マーチャンダイジング」??

いきなりですが、「グッズ販売」などと呼ばれているものは、もう少しビジネス的な言い方をすると、

マーチャンダイジング(Merchandising)

と言います。

マーチャンダイジング」というのは簡単に言えば、

商売をすること

という意味です。

「スポーツビジネス」という言葉自体が「スポーツで商売をすること」ですから、ちょっと分かりづらいかもしれませんが、

「マーチャンダイジング」は「手に取ったり触ったりできる商品を売る場合の考え方」と思っていただければよいです。

「グッズ」というのは、タオルマフラーやリストバンド、帽子、ユニフォームなど、実際に触ったり身に着けたりすることができますよね。

そうした商品を売る仕組みをつくることが「マーチャンダイジング」ということです。

なので、「グッズ販売」をして、お金を稼ぐためには、この「マーチャンダイジング」というものを知っている必要があるということです。

ちなみに「マーチャンダイジング」という言葉は、小売業(消費財メーカー)などのビジネスでよく使われる言葉で、スポーツビジネスだけに使われている言葉ではありません

スポーツ用品メーカーやスポーツ小売店といった業界に就職したい方や、そうしたビジネスをしたい方はぜひ覚えていただくと良いと思います!

マーチャンダイジングで必要な6つのこと

グッズを売るためには「マーチャンダイジング」というものを知っている必要がある、というところまでは分かって頂けたと思います。

では、具体的に「マーチャンダイジング」というのは何をするのでしょうか?

必要なものとして、以下の6つの要素があります。

✔ どんなグッズを揃えるか

✔ いつグッズを売るか

✔ どこでグッズを売るか

✔ どんな値段で売るか

✔ どのくらいの数を売るか

✔ どうやって知ってもらうか

マーチャンダイジングで考える6つのこと

今回は、あまり細かくは解説しませんが、マーチャンダイジングによってグッズを売るためには、考えなければいけないことや、やるべきことがたくさんあるということですね。

こうした仕事をすべて一人でこなすというのはなかなか難しいと思います。

なので、プロ野球やJリーグといった球団にも、「商品部門」や「MD部門」といった部署があって、グッズを作ったり、販売したりするために何人かでチームを組んで仕事をしています。
※MD = マーチャンダイジングの略

マーチャンダイジングをするために、特別な「資格」などを持っている必要はありませんが、スポーツビジネスでそうした仕事に関わりたい方は、

✔ 販売士

✔ 色彩検定

✔ ファッションビジネス検定

マーチャンダイジングに役立つ資格

といった勉強をして資格を取ってみるのも良いと思います。

特に学生さんであれば、資格があることによって「就職活動」の際のアピールとしても使えますよね。

グッズ販売って、正直なところ儲かるんですか??

グッズを販売するためには「マーチャンダイジング」を通じて色々なことをしていかなければならない、ということが分かりました。

では、実際にグッズ販売というものは「儲かる」のでしょうか?

答えは「儲かります」。

ただし、やり方によります。

どうすれば「グッズが売れるのか」というのは後ほど解説したいと思いますが、ここでは、プロスポーツのグッズ収入の例をいくつか見ていきましょう。

✔ ヴィッセル神戸 ⇒ 約4億円 (2018年)

✔ 鹿島アントラーズ ⇒ 約8億円(2018年)

✔ 広島東洋カープ ⇒ 約60億円(2017年)

✔ レアル・マドリード ⇒ 約400億円(2018年)

プロスポーツチームのグッズ収入

※上記の数字はあくまで推定です。
※レアル・マドリードに関しては、クラブが発行している財務レポートに「マーチャンダイジング」というカテゴリがなく、「マーケティング」という大枠での計算になっていることから、厳密なグッズ販売収益だけとは限りませんのでご注意ください。

レアル・マドリードと日本のクラブでは、勝負にならないほどの収益の差がありますが、日本のスポーツだけを見ても、かなり大きな差があるのが分かると思います。

プロ野球に関しては、各球団の財務状況が非公開のため、以下のサイトを参考にさせて頂きましたが、

参考記事:なぜカープは東京から「お金を奪える」のか(東洋経済オンライン)

Jリーグは各クラブの財務状況の公開が義務付けられているため、グッズ販売の収入がクラブ全体の売上に対してどの程度貢献しているのか、というのを知ることができますね。

※上記はあくまで「売上」ですので、すべてがクラブの収益になる訳ではありません。

グッズを売るために大切なことは?

グッズを売ること、つまり「マーチャンダイジング」をすることについては、上記で「6つの大切なこと」というのをご紹介しました。

その6つの中で一番大切なことは、

どんなものを売るのか

ということです。

考えてみれば当然ですが、「売れないモノ」をいくら宣伝したり、お店に置いたりしてもお客さんは買ってくれません。

特に現在のビジネスは、「モノが売れない時代」であると言われています。

ここで言う「モノ」というのは、テレビや洗濯機といった「家電製品」と言われるものや、「自動車」といった高額なものまで、色々なことを含みます。

このブログを読んでくれている方は、学生さんや若い方が多いと思いますが、自分で「テレビ」を買ったり「自動車」を買ったりする人はほとんどいないと思いますし、

もしある程度のお金があったとしても、そういった「モノ」にお金を使いたいと思わないかもしれません。

これからのビジネスで大切なことは、「モノ」を売ることそのものではなく、「モノを通じてどんな嬉しいことをお客さんに与えられるか」が大切になります。

これまで ⇒ 「モノ」を売ればOK

これから ⇒ 「モノ」は売れない・・・

「価値」を売ることが大事!!

「売れるグッズ」をつくるために大切なこと

スポーツの例で考えてみましょう。

あなたがスポーツクラブやチームの「グッズ担当者」だったら、なにを作りますか?

だいたいは、

  • ユニフォーム
  • タオル
  • フラッグ
  • ぬいぐるみ

といったものを作ろうと考えるハズです。

もちろん、こういったグッズは、応援したり家に飾ったりすることに使えますから、熱狂的なファンがたくさんいるようなチームであれば、ある程度の人は買ってくれると思います。

しかし、それほど熱狂的ではないお客さんや普段はなかなか試合を観にいけないような人が、こうしたグッズを「買いたい」と思わないかもしれません。

なぜなら、熱狂的ではない人にとっては、ただ「ユニフォーム」を買うことによる「価値」をあまり感じられないからです。

洋服を買いたいのであれば、ユニクロやGU、近所のスーパーや、ZOZOTOWNのようなネット通販で十分ですよね。

スポーツのウェアが欲しいのであれば、アルペンやゼビオ、楽天市場などにもたくさんあります。

ではなぜ、ファンは「ユニフォーム」というものを買う必要があるのでしょうか?

それは「ユニフォーム」という「シャツ」そのものが必要というよりも、ファンにとっては、

✔ 憧れの選手と同じモノを身に着けることができる

✔ 自分が「チームを応援している」ということを証明できる

✔ スタジアムで他のファンとも一体になれる

「ユニフォーム」を買う価値とは?

といったことが「ユニフォームを持つ価値」なのです。

逆に言えば、上記のような「価値」をお客さんやファンに提案することができる商品であれば、ユニフォームではなくても、なんでもよいのです。

「売れるグッズ」を作るために大切なことは、「ユニフォーム」や「マフラー」といった、商品としての「形そのもの」よりも、それを身に着けることによって、ファンにとっては「どんな嬉しいことがあるのか」ということを真剣に考えることです。

これが、「売れるグッズを作る」ための最も大切なことです。

ちなみに、サッカー日本代表のレプリカユニフォームは、約10,000円前後で販売されていますが、原価は約800円だとされています。

つまり「ユニフォーム」という「モノ」自体は「800円」で作れるほどの価値しかないのです。

それが「10,000円」で売れるのですから、ファンにとっては「身に着けるためのモノ」という以上の「価値」があるということですね。

グッズ製作と販売が非常に上手い例としては、プロ野球の「広島東洋カープ」が挙げられます。

先ほどご紹介したように、広島東洋カープはグッズ関連の売上だけで「年間60億円」を稼いでいます。

これは、Jリーグの1つのクラブが、1年間で売り上げる総額よりも大きい金額です。

もちろん、広島東洋カープのファンは日本のプロスポーツクラブの中でも多いと言われていますので、熱心なファンが球団の売上を支えていることは事実です。

しかし、広島東洋カープのグッズ戦略では「熱心ではない人」でも「つい買ってしまいたくなるグッズ」をたくさん制作して販売しているのです。

興味のある方は、ぜひ広島東洋カープの「グッズカタログ」を読んでみてください。

これまでの「スポーツグッズ」の常識を覆すようなものがたくさん紹介されていますよ。

まとめ ~グッズを通じてどんな価値を提供できますか?~

今回は、「プロスポーツでのグッズ販売のカラクリ」として、スポーツビジネスにおける「グッズ販売」のお話をしてきました。

「グッズ販売」のことを専門的に言うと、

マーチャンダイジング(Merchandising)

と呼ぶのでしたね。

マーチャンダイジングでは、

✔ どんなグッズを揃えるか

✔ いつグッズを売るか

✔ どこでグッズを売るか

✔ どんな値段で売るか

✔ どのくらいの数を売るか

✔ どうやって知ってもらうか

マーチャンダイジングで考える6つのこと

ということを考えてグッズを作っていきます。

「売れるグッズ」を作るためには、

「グッズを通じてお客さんにどんな価値を届けられるのか?」

ということを真剣に考えることが大切でしたね。

ぜひみなさんも「スポーツの価値」を様々なグッズにして、人気商品を作ってみてください!


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