プロスポーツがメディアに愛される理由

プロ野球やJリーグといった国内のプロスポーツや、プレミアリーグ、NFLといった海外のプロスポーツも、「お金を稼ぐ手段」については大きな違いはありません。

プロスポーツビジネスは4つの収入で稼いでいる!」の記事でもご紹介したように、プロスポーツビジネスというのは、基本的には、

✔ チケット収入

✔ スポンサー収入

✔ 放送権収入

✔ マーチャンダイジング(グッズなど)

プロスポーツビジネスの4つの収入源

という、4つの柱」で稼いでいます。

関連記事:スポーツのスポンサーシップってなに? スポーツと企業の共存

今回は、その中でも「放送権収入」というものにポイントを当てて、解説をしていきたいと思います。

プロスポーツビジネスが儲かるのは、この「放送権収入」が存在するおかげ、といっても過言ではありません。

それだけ、テレビやインターネットの力はスポーツに対して大きな影響力を持っているのです。

「放送権」ってなんですか?

そもそも、「放送権」というのはなんでしょうか。

「放送権」とは、

テレビ局でのテレビ放送や、インターネット配信サービスにおいて、他社から借りたり譲ってもらったニュース素材・放送番組や、スポーツ・イベントを独占的に配信できる権利のこと

放送権の意味

です。※場合によっては「放映権」と言われたりもします。

サッカーの場合は、各クラブ同士が試合を行うことによって、「試合」という「商品」が生み出されます。

その「商品」を欲しがる人が多い、つまり「試合」を見たい人が多いほど、「商品」としての「価値」が上がって、「お金」を生み出せる、ということです。

スポーツチームが自分たちでテレビ局を作ったり、全国に試合映像を配信するといったことはなかなかできません。

しかし、「試合」という素晴らしい「商品」を持っているわけです。

その「商品」を広めるために、テレビ局やインターネット配信会社といった企業が、リーグやチームから「試合を放送する権利を買う」ことによって、スポーツにお金が生まれます。

関連記事:「スポーツ産業」ってどうやって成り立ってるの? 「スポーツメディア」産業の巻

これが、「放送権がプロスポーツビジネスの収入の1つ」であるという理由です。

「独占的に配信する」から儲かるんです

「放送権」というのは、「スポーツ」をテレビやインターネットで配信できる権利のこと、というのは分かったと思います。

では、なぜそれがプロスポーツビジネスにとって「儲かる」のかという理由は、

独占的に配信させることができる」からです。

「独占的に配信させる」というのは、リーグやチームといった、「試合」という「商品」を作る側が、「試合を配信」するテレビ局などを「1社限定」といった形にしてしまうことです。

スポーツビジネスには、大きく分けると、

✔ 「する」スポーツのビジネス

✔ 「みる」スポーツのビジネス

二種類のスポーツビジネス

という2つがありますが、こうした「試合を放送することによってお金を生み出す」というビジネスは、まさに「みるスポーツのビジネス」そのものです。

この「みるスポーツ」のビジネスというのは、「試合」そのものが商品としての大きな価値を持っています。

なぜ「試合」がテレビやインターネット配信にとって価値があるのかというと、

✔ メディアが「商品(試合)」を作る必要がない

✔ 二度と同じ「商品(試合)」を作ることができない

メディアから見たスポーツの価値

という理由があるからです。

「スポーツ中継」というものは、メディアにとってはほとんど「制作コスト」がかかりません。

なぜなら、選手とスタジアムがそこにある限り、「試合」という「商品」が自動的に生み出されるからです。

関連記事:スポーツが「商品」になった理由

しかも、「同じ試合は二度とない」のですから、「新しい商品」をどんどん売ることができます。

だから、メディアにとってスポーツは価値があると言えます。

そこで何が起きるかというと、

「たくさんの人々に注目されるような試合は、なんとしても中継したい」

と、多くのメディアは思うわけです。

こうした状況になれば、「試合」という商品を持っているリーグやチームの「勝ち」です。

なぜなら、

・「試合」という商品は1つしかない(売り手)
・「試合」を中継したいというメディアはいくつもある(買い手)

という状況になるため、「試合」という商品の価値がさらに上がるからです。

「就職活動」の経験がある方や大学生の方は「就活」において「売り手市場」という言葉を聞いたことがあると思います。

これは、「売る側」に対して「買う側」の数が多い状態です。

つまりあなたが「就職する側(「自分」という商品を売る側)」 だとすれば、人材を採用したい企業側は「人材を買う側」になります。

このときに、仮に「就職したい大学生が10人、採用したい企業が1万社」という状態だったとしたら、大学生側から見たら、「1万社の中で一番お給料の高い企業を選ぶ」といった、「条件のよい企業」をじっくり選ぶことができますよね。

これと同じで、スポーツの「試合」という「商品」も、欲しい企業がたくさんある状態の中で「1社にだけ試合を放送する権利を売ります」と交渉すれば、多くのテレビ局などが競り合って、「1番高いお金を出してくれたテレビ局」と契約できることになります。

だから、プロスポーツビジネスの「放映権による収入」というのは、とてつもない金額になるのです。

実際、どれくらいのお金が入るんですか?

では、プロスポーツビジネスにおいて「放映権」による収入というのは、どれくらいの金額になるのでしょうか。

いくつか例をご紹介致します。

Jリーグの放送権収入

国内のプロサッカーリーグであるJリーグでは、2017年からイギリスの大手通信会社の『パフォーム』と10年間で2100億円(年間210億円)の大型放映権契約を交わしています。

みなさんの中には『DAZN』という動画配信サービスで試合を観ている人もいるかと思いますが、それを運営しているのが「パフォームグループ」です。

ちなみに、 2016年までJリーグを放送していた『スカイ・パーフェクト・TV(スカパー)』は年間40億~50億円ほどだったと言われています。

欧州サッカーリーグの放送権料

ヨーロッパ各国のプロサッカーリーグの放送権を見ていきます。(日本円に換算)

プレミアリーグ(イングランド) 3540億円

ブンデスリーガ(ドイツ) 1600億円

リーガ・エスパニョーラ(スペイン) 1286億円

セリエA(イタリア) 1299億円

リーグ・アン(フランス) 970億円

欧州サッカーリーグの年間放送権収入

上記でご紹介したように、Jリーグは「10年間で2100億円」の契約ですが、欧州サッカーリーグの放送権収入は、「1年間」でこの金額です。

したがって、Jリーグと欧州各リーグの「試合」の価値は、桁違いであると言えるでしょう。

こうしてみると、Jリーグはまだまだ発展途上のリーグということが分かるのではないでしょうか。

欧州5大リーグとJリーグの年間放送権収入比較

アメリカのプロスポーツリーグの放送権料

次は、「スポーツビジネス大国」ことアメリカのプロスポーツリーグの放送権を見てみましょう。ここでは、アメリカン・フットボールのプロリーグであるNFLと、バスケットボールのプロリーグであるNBAの年間放送権料を見てみます。

NFL 7700億円

NBA 2800億円

アメリカのプロスポーツリーグの年間放送権収入

もはや、日本のプロスポーツなどは比較にならないほどの金額です。

日本とアメリカのスポーツ産業の市場規模は「10倍違う」と言われていますが、

放送権収入だけを見れば、10倍どころか「100倍」といっても大げさではないでしょう。

それだけ、「アメリカ」という国は「スポーツの価値を高める」という能力が非常に高い国であると言えます。

アメリカ(NFL、NBA)、欧州サッカー、Jリーグの年間放送権収

まとめ

今回は、「プロスポーツがメディアに愛される理由」というテーマで解説をしてきました。

プロスポーツのビジネスに「メディア」が関わることによって「試合」という商品を売り買いする「放送権」というビジネスが生まれます。

これによって、スポーツは莫大な資金を得ることができるのですね。

メディア側から見れば、スポーツという商品は、

✔ メディアが「商品(試合)」を作る必要がない

✔ 二度と同じ「商品(試合)」を作ることができない

メディアから見たスポーツの価値

という価値を持っているので、スポーツにとってもメディアにとっても、「試合」という商品の価値を上げていくことがとても大切なのです。(特に「みるスポーツ」ビジネスにおいて)

プロスポーツでもっと放送権収入を上げるためにはどうすればよいか」といったことや「アマチュアスポーツでも放送権収入で収益を上げることができないか?」といったことを一緒に考えて頂ける方はぜひLINEでお友達になってくださいね!


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ABOUTこの記事をかいた人

須賀 優樹

本ブログの管理人。「世界で一番優しくスポーツビジネスを学べる場をつくる!」を目標に、スポーツ業界に入りたい人、活躍したい人をこれまで多数支援。学生時代の専門は「スポーツマーケティング」。現在は大手企業のデジタルマーケティングやビッグデータ分析のコンサルティング、スポーツ団体の新規事業支援などをやっています。