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今回は、「スポーツマネジメント」が「なにをマネジメントするのか」ということについて書いていきたいと思います。
このブログでも「スポーツマネジメント」に関する記事を色々と書いていますが、「スポーツマネジメント」が扱う範囲は非常に広く、「これがスポーツマネジメントです!」と定義することが難しいのです。
したがって、スポーツマネジメントを1つの理論としてまとめることはできないのですが、「こういう分野でスポーツはマネジメントされている」ということを簡単にご紹介していきます。
現在では、大きく分けると4つの領域でスポーツはマネジメントされていると考えられています。
その4つとは、
✔ みる(観戦型)スポーツのマネジメント
✔ する(参加型)スポーツのマネジメント
✔ 社会とスポーツマネジメント
✔ 対象に応じたマネジメント
スポーツマネジメントの種類
です。
今回は、この4つの「スポーツマネジメント領域」について解説をしてみたいと思います!
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みる(観戦型)スポーツのマネジメント
「みる(観戦型)スポーツマネジメント」というのは、だれがが「観る」ことによってビジネスとして成り立つスポーツのマネジメントということです。
例えば、オリンピックやワールドカップといった国際的なスポーツイベントや、プロ野球やJリーグといったプロスポーツリーグ、そしてそれらのイベントやリーグの試合を放送するメディアといったものです。
スポーツファンやスポーツ愛好者がそうした大会や試合を現地で、あるいはテレビやインターネット等を通じて「観る」ことによってビジネスとして成立するというのが「観戦型スポーツのマネジメント」が扱う領域です。
「スポーツビジネス」というと真っ先に思い浮かぶのが、こうした「観戦型スポーツ」におけるビジネスではないでしょうか。
実際、オリンピックやワールドカップといった国際的な大会では、何百億円といった放送権料がメディアからスポーツ組織に支払われたり、試合観戦のために様々な国や地域から数万人、数十万人といった単位で人が動きます。
特に、オリンピックやワールドカップといった大会は4年に1度といったスパンで開催される場合がほとんどで、開催される場所も毎回変わります。
よって、世界的に大規模なマーケティングが実施される傾向にあり、「1回きりでいかにファンを満足させることができるか」という特徴があります。
スポーツマーケティングは、こうした大規模なスポーツイベントでのマーケティングを基にして発展してきている歴史があります。
逆に、プロ野球やJリーグという通年で開催される「リーグ型」の観戦スポーツは、1度だけではなく何度も試合を観てもらう必要があるため、いかに継続的にリーグあるいはチームを好きになってもらえるか、というマーケティングやセールスが必要になります。
現代では、こうした大会やリーグを成功させるために「メディア」の力をうまく利用することが必要となっています。
TV局などのメディアにとっては、スポーツはとても魅力的なコンテンツであることから、スポーツとメディアの関係はこれからもますます発展していくでしょう。
する(参加型)スポーツのマネジメント
する(参加型)スポーツのマネジメントというのは、スポーツに参加する(スポーツをする)ことそのものが目的となる活動に対してのマネジメントです。
例えば、学校の体育や、地域でのスポーツ活動、スポーツ活動にあたって使用する施設やスタジアムといったものが挙げられます。
これらの参加スポーツのマネジメントは、企業が絡んでビジネスとして実施される場合もありますが、基本的には国や地方自治体などの行政や、町内会といった、「非営利」な組織が中心となって実施される場合が多くなります。
つまり、「参加型スポーツのマネジメント」というのは、お金を稼ぐことが目的というよりも、そのスポーツやイベントに参加することによって、参加者の健康が得られたり、仲間づくりや教育的な側面が目的になります。
よって、どちらかといえば「お金をなるべくかけない」もしくは「お金を効率よく使う」ということが大切になってきます。
特に、学校体育や地域スポーツといったものは、それ自体がお金を稼ぐことが目的として実施されているわけではなく、青少年の育成や地域での健康増進、コミュニティづくりなどを目的として運営されています。
日本のスポーツは、こうした「参加型」のスポーツを中心に発展してきた歴史があります。
したがって、こうした「参加型スポーツのマネジメント」を従来から行ってきた人の中には、収益を得ることを目的とする「観戦型スポーツ」の仕組みや、やり方をあまり良く思わない人達もいます。
「スポーツというのはあくまで健康や教育のためにやるのであって、お金目的でされてはいけない」といった具合です。
以前はオリンピックに「プロ選手」が出場することができなかったり、野球では長らくの間、「プロとアマの壁」といったように、プロ野球の世界とアマチュア野球の世界が断絶されたような状態が続きました。
今でもそうした考え方は残っているものの、今後はプロやアマチュアといったことは関係なく、「スポーツが持つ価値」を最大化していくことが必要です。
「社会」とスポーツマネジメント
「社会とスポーツマネジメント」というのは、国や地方自治体が実施する「スポーツ政策」や、スポーツに関連した法律や法制度をどのようにしていくか、ということが中心になります。
また、スポーツの個々の団体のマネジメントもこうした領域に入ってくるとされています。
例えば、スポーツごとに「○○連盟」や「〇〇協会」といった、その競技を中心的に取りまとめる組織があると思いますが、そうした組織のマネジメントなどです。
国がスポーツをどのように発展させていきたいのか、ということを知ることはスポーツマネジメントを実施する上で非常に大切です。
これまで、日本は「金メダルをいくつとるか」といったような、「競技力向上」といった視点でスポーツを発展していくことが中心でしたが、近年では「スポーツ庁」を中心として、スポーツが持つ多様な価値を認識し、それを広めていくための考え方や活動が広まってきています。
国がスポーツの価値を明確にして方向性を示すことによって、地方自治体や市区町村は、どのようにスポーツを活用して市民の役に立てるべきなのかということがはっきりします。
また、各スポーツを統括する団体も、「競技」としてのスポーツの価値や、「ビジネス」としてのスポーツの価値を真剣に考えるきっかけになります。
スポーツを発展させようとすると、どうしてもお金がかかります。
スポーツを発展させていくために必要な政策や法律も常に整備していく必要があります。
よって、これまでご紹介した「観戦型スポーツ」のマネジメントも、「参加型スポーツ」のマネジメントも、この「社会とスポーツマネジメント」といった領域に非常に大きく影響を受けてきます。
もしこのブログを読んでくれている方が、「観戦型スポーツ」か「参加型スポーツ」のどちらのスポーツマネジメントを目指すにしても、この「社会とスポーツマネジメント」いった、スポーツ行政、スポーツ財源、スポーツ法律といった分野はぜひ学んでもらえたらと思います。
「対象」に応じたスポーツのマネジメント
最後の、「対象に応じたマネジメント」というのは、「誰に対してスポーツを使うのか」という、「人」を対象としたスポーツマネジメントの考え方です。
例えば、子どもの発育を対象としたスポーツや、高齢者の健康増進のためのスポーツ、障害者のための競技スポーツ、といった形です。
これらは、ここまででご紹介した「観戦型スポーツ」、「参加型スポーツ」、「社会とスポーツマネジメント」という3つのスポーツマネジメントの領域と組み合わさって実施されることになります。
子どもを対象にしたスポーツであれば、「参加型」のスポーツである「スポーツ少年団」や、「総合型地域スポーツクラブ」、あるいは営利団体が行うスポーツ教室などもこうした分野に入ってきます。
高齢者の場合は、上記の「総合地域スポーツクラブ」のほかに、地域のサロンや介護・医療関連の施設、スポーツジムといったものもマネジメントの対象になってきます。
障害者スポーツの場合も高齢者と同様に介護・医療関連の支援や、障害者にとって使いやすい専用のスポーツ施設といったことも必要になります。
スポーツマネジメントを実施する際は、「誰に対してスポーツの価値を届けるのか」といったことを考えることが非常に大切になります。
子どもを対象としたスポーツマネジメントでは、スポーツを実際に行うのは子どもであっても、そのイベントや教室に参加するかどうかを決めるのはこども本人ではなく保護者という場合もあります。
したがって、商品の対象は子どもではあるものの、マーケティングやセールスとしては保護者を対象に実施することになります。
少し難しくなりますが、「サービスの受け手」と「サービスの授与決定者」が違うという場合があるのが、子ども、高齢者、障害者を対象としたスポーツマネジメントの特殊な部分でもあります。
スポーツに関連するビジネスをしたい方は、この「誰に対してスポーツビジネスを行いたいのか」ということをよく考えてみると良いと思います!
まとめ ~スポーツマネジメントの対象は幅広い!~
今回は、現代の「スポーツマネジメント」が扱っている領域として、以下の4つを解説していきました。
✔ みる(観戦型)スポーツのマネジメント
✔ する(参加型)スポーツのマネジメント
✔ 社会とスポーツマネジメント
✔ 対象に応じたマネジメント
スポーツマネジメントの種類
大切なことは、それぞれがバラバラにマネジメントされるのではなく、相互につながりをもってマネジメントされる必要があるということです。
特に重要となるのが、国が目指すスポーツ振興やスポーツ政策、スポーツに関する法律などをきちんと押さえておくということです。
こうした様々なスポーツマネジメントを通じて、新たなスポーツの価値を作っていきたいですね!
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