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「スポーツ小売業」について分かりやすく解説! スポーツ用品の価値をどう伝えるか!?

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須賀 優樹
「ゼロからのスポーツビジネス入門」の運営代表として、「世界イチわかりやすいスポーツビジネス・マネジメント」を情報発信。元産業能率大学教員として大学生にスポーツマネジメントを教えた経験も。スポーツ業界就職や起業相談、スポーツ組織向けコンサルティングも好評。

みなさんは、「スポーツ小売業(こうりぎょう)」というお仕事を知っていますか?

簡単に言えば、「スポーツ用品をお店で販売する仕事」というのが「スポーツ小売業」です。

スポーツ用品に関わる仕事がしたい!!」という学生の人や社会人も多いかと思いますが、スポーツ用品に関わる仕事は主に「スポーツ用品を作る」ことがメインの「スポーツ用品メーカー」という企業と、スポーツ用品メーカーが作った商品を、スポーツを楽しむ一般の人たちなどに実際に販売する「スポーツ小売業」という企業があります。

今回は「スポーツ小売業ってなに?」ということで、「スポーツ小売業」について、優しく解説したいと思います!

この記事で学べること

✔ 「スポーツ小売業」の仕事内容がわかる

✔ 「スポーツ用品」を買ってもらうための工夫がわかる

✔ 「スポーツ小売業」の主な企業がわかる


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スポーツ小売業ってこんな仕事!! ただ売ればいいだけじゃない!

スポーツ小売業」を一言で言えば、「スポーツショップの店員さん」というイメージが分かりやすいと思います。

なので、「スポーツ小売業」で働いている人の、半数以上はスポーツショップの店頭(お店)に立ち、お店に来たお客さんに対して、ウェアやシューズ、ボールなどの商品を販売するのがメインの仕事になります。

その仕事の内容は大きく2つに分けられます。

その2つは、「商品を販売する」ということと、「商品を販売するための準備をする」ということです。

1つずつ見ていきましょう。

商品を販売する ~顧客ひとりひとりのニーズを理解することが大事~

スポーツ小売業は、「スポーツ用品を売る」という仕事がメインですが、その中でもとても大切になるのが、その商品のことをスタッフとしてきちんと理解しているかどうか、という商品知識です。

例えば、「サッカースパイク」という商品にも、メーカーや種類によって様々な違いがあります。

・素材(天然、人工、ハイブリッドなど)

・商品特徴(幅が広い、狭いなど)

・用途(人工芝、天然芝用など)

・価格(値段の違い)

・メーカー(どこの企業が作ったのか?)

・発売年度(いつ発売されたか?)

・選手モデル(「本田モデル」みたいな商品)

スポーツ用品を売るために必要な「商品知識」

上記は「サッカースパイク」の例ですが、スポーツ用品店には、ほんとうにたくさんの商品が並んでいます。

その1つ1つの商品の特徴をしっかり理解する、というのは簡単にできる仕事ではありません。

「スポーツ用品を売る」ためには、こうした商品知識をきちんと理解して、ひとりひとりのお客さんに、ピッタリ合う商品をおススメすることが必要なのです。

商品を販売するための準備」~常にベストな状態で顧客を迎える~

「スポーツ用品」というものは、ただ適当にお店の中に置いていれば、勝手に売れるというものではありません。

きちんと商品を売るためには「準備」がとても大切です。

スポーツ用品を「販売するための準備として3つの仕事内容をご紹介します。

① 商品補充 (足りない商品や新しい商品を揃える)

② 売り場作成 (お客さんにとって心地よいお店をつくる)

③ 商品PR (商品の魅力をきちんと伝える)

スポーツ用品を「販売するための準備」

1つずつ見ていきましょう。

「商品補充」で足りない商品や新しい商品を揃える!

コンビニやスーパーなどでアルバイトをしたことがあるような人は経験があると思いますが、商品を販売したら、当然ですがお店から商品が無くなりますよね。
(もちろん「売れ残る」場合もありますが…)

ですので、お店から無くなった(売れた)商品は「補充(ほじゅう)」しなければなりません。「補充」というのは、「足りなくなったものを新たに加える」ということです。

ここで大切なのは「1つシューズが売れたから、1つシューズを補充しよう」というように、売れた商品をただ補充するのではなく、

とてもよく売れている商品だから、先週の2倍補充しよう

この商品はいまひとつ人気が出なそうだから、補充するのはやめよう

というような判断が必要になります。

判断を間違えてしまうと、ほんとうはもっとたくさん売れたはずなのに、商品が棚に置いてなくてスカスカだから売れなかった(売上ロス(欠品))、といったことや、

逆に、この商品はもっと売れると思って、大量にお店に置いたら、全然売れなかった(在庫多寡(不振在庫))、となってしまうことがあるので、慎重に判断する必要があります。

お客さんにとって心地よいお店をつくる「売り場作成」

次に「売り場作成」です。

みなさんがお店に行くなら、「お店がきれいで、どこに何があるか分かりやすい」といったようなお店に行きたいですよね(あえてゴチャゴチャ感を出す「ドン・キホーテ」のようなお店もありますが…)

いくら素晴らしい商品を作っても、商品を販売するお店が期待外れだったら、お客さんは買い物をしてくれません。

売り場作成」では、「お客さんがお買い物をしやすい」ようなお店作りをしていくことを目指します。

具体的には、「季節やブームに合わせて変える」という棚や商品と「基本的には変えない」という棚や商品があります。

季節やブームに合わせて変える」というのは、例えば気温が10℃を下回って寒くなったら、いきなりウォームジャケットや厚手インナーを買いに来る人が増えるので、そうした人がお店に来た時にもきちんと欲しい商品があるように、お店のスタッフが「天気予報のチェック」をきちんとするとか、お客さんの「あぁ、今これ欲しい!!」という気持ちにこたえられるようにしておく、ということです。

逆に、「基本的には変えない」という棚や商品というのは、季節やブームなどにあまり影響されないものを指します。

例えば、「靴下(ソックス)」や「シューズの汚れ落とし」といったものです。

こうした商品は、単純に「使えばなくなっていく ⇒ また新しいのを買う」という流れになりやすいので、リピーター(何回もお店に来て買ってくれる人)のお客さんに分かりやすいように、「いつも同じ場所」に商品を置いておくことで、「あの店に行けば必ず手に入る」というイメージを持ってもらうことが大切になります。

それによって、「商品が売れる機会を逃さない」ということに繋がります。

商品の魅力を「PR」して買ってもらおう!!

さて、ここまでで、「完璧なお店の出来上がり」かと思った人はちょっと待ってください。

「完璧な商品」「完璧なレイアウト」をしても、まだお客さんは商品を買う気にならないかもしれません。

なぜなら、お客さんには「商品を買うことによって得られる嬉しいこと」が、まだイメージできていないからです。

みなさんも、スポーツ用品店や、家電量販店などに行ったときに、なんとなく商品を見ているだけではその商品の性能や他の商品との違いがよく分からないことがあると思いますが、きちんとそうしたことをお客さんに伝えていくことが大切です。

そのためには、普通であれば素通りしてしまうコーナーにPOP(チラシやバナー)などをつけて、お客さんの目を引き、「買いたい気持ち」をうまく盛り上げていくことが必要になります。

冬物大セール!!」みたいなチラシが店内に飾ってあるのをよく見ると思いますが、適当に飾られているわけではなく、お店のスタッフが色々なことを計算してきちんと配置しているのです。

どんな企業があるの?

ここまで、「スポーツ小売業」のお仕事を簡単にご紹介してきました。

では、実際にどんな企業が「スポーツ小売業」の仕事をしているのでしょうか。

ひとことで「スポーツ小売業」といっても大企業から中小企業まで様々な会社があります。

これから「スポーツ小売業で働きたい!」と考えている人にとって、基礎知識になる程度の範囲でご紹介していきます。

スポーツ小売業の大手4社

日本のスポーツ小売業では、主に4つの大手企業が全国にお店を出店し、スポーツ小売業界を引っ張っています。

それらの4つの企業は、まとめて「4大NC(ナショナルチェーン)」と呼ばれたりします。

その4社とは、

アルペン・スポーツデポ

スーパースポーツゼビオ

ヒマラヤスポーツ

スポーツオーソリティ

スポーツ小売業 4大ナショナルチェーン

です。

この4社は、

  • 全国に店舗がある
  • 100店舗以上の店舗数

というのが共通の特徴になります。

これらの企業が持つスポーツ用品店の多くが、様々なスポーツ競技の用品を扱う「総合店」ですが、最近のニーズに合わせた「アウトドア専門」や「カジュアルシューズ専門」といった別業態での店舗も増えてきています。

この中でも、特に「アルペン」と「ゼビオ」が激しい「業界1位争い」をしており、2019年度の売上高でも、ほぼ互角の争いを繰り広げています。
※両社とも年間2000億円弱の売上高。

なので、「4大NC(ナショナルチェーン)」という呼ばれ方はするものの、実際には「アルペン」と「ゼビオ」の2社が、この業界の中では大きな力を持っていると言えるでしょう。

スポーツ小売業の中小企業

次に、スポーツ小売業の中での中小企業について見ていきます。

スポーツ小売業の中小企業は、以下のような分類に分けることができます。

地域RC (リージョナルチェーン)

競技専門店

地域密着店

スポーツ小売業の中小企業の分類

この他には、「楽天市場」などに出店している「インターネット型 専門店」なども近年増えてきています

まず「地域RC」とは、限られた地域に10店舗程度の店舗がある企業を指します。

関東を例にあげると、

  • スポーツカムイ
  • スポーツプロショップB&D(4大NCの1つである「ヒマラヤ」が買収)

などの企業があげられます。

ともに首都圏を中心に約20店舗ほどの店舗数があります。

4大NCと比較すると、扱う競技のカテゴリーを絞って、より専門性の高い商品を取りそろえていることが特徴的です。

次に「競技専門店」というのは、取り扱う競技をかなり絞って、ある特定の競技に特化したスポーツ用品を販売する企業になります。

そうした企業の例としては、

  • ベースマン(野球)
  • フットボールパーク(サッカー)
  • BALLERS(バスケットボール)

といったように、名前を聞いただけで、何の競技を取り扱っているか分かることが多いのも特徴の一つです。

最後に、「地域密着店」です。

こちらは、全国に1店舗しかないスポーツショップを指します。

「○○スポーツ」といったように、スポーツショップの社長や地域の名前がそのまま使われていることが多いです。

地域密着店」の特徴は、その地域に合った商品が多く取り揃えられている点です。

例えば、冬は雪が多くスケートの授業がある地域であれば、スケート靴が冬になると店頭に並んだり、近隣の部活動で空手が全国クラスの部活動があれば、空手用品が多く取り揃えられていたりすることが特徴になります。

基本的に仕事内容は大企業でも中小企業でも大きく変わる訳ではありませんが、それぞれの企業に合わせて、専門性が求められたり少しずつ変化しますので、「スポーツ小売業」への就職を目指す方は、自分にあった業態や企業を探すことが大切になりますね。

まとめ ~「いい商品 = 売れる」とは限らない~

今回は、\スポーツ小売業ってなに? スポーツ用品に関わるお仕事/ というテーマで、スポーツ小売業の仕事内容や、スポーツ小売業に関わる様々な企業を簡単にご紹介してきました。

なかなか「モノが売れない」という時代になってきている中で、スポーツ用品も「大きなお店にたくさんの商品を置いていれば売れる」とはいかない状況になってきています。

それでも、「スポーツ用品」というものは、実際に手に取って大きさや形を確かめてみたり、シューズのように履き心地を確かめてみないと、商品を購入しにくいという特徴がありますので、何でもかんでも「インターネットショッピングで済む」というわけにはいかないと思います。

だからこそ、実際の「お店でスポーツ用品を販売する」ということに、まだまだ大きな価値はあるのだと思いますし、スポーツ用品業界も、もっともっとお客さんに「お店で買い物するのって楽しい!!」と思ってもらえるような工夫が必要になってくると思います。

人間は本能的に「買い物」という行為を楽しんだり、ストレス発散の手段に利用したりします。

そうした「感性」に訴えかけてモノを売っていくことが、今後はますます大切ですね。


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