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今回は「スポーツビジネスはなぜわかりにくいのか?」というテーマで記事を書いてみたいと思います。
結論から言ってしまうと、スポーツビジネスは「スポーツ産業」と「スポーツ市場」の構造が非常に複雑であるがゆえに、スポーツビジネスをどう捉えるかが難しい、ということになります。
「スポーツ産業」というものは「製造業」や「小売業」のように明確に定められているわけではなく、「スポーツビジネス」も明確に「これがスポーツビジネスだ!」と決めることができないのです。
そうした中でも、「スポーツビジネス」の「市場」と「産業」、「現在地」に焦点を当てて、少しでも「スポーツビジネス」への理解が深まるように解説してみたいと思います。
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スポーツの「市場」の構造はかなり複雑なんです
まず、スポーツビジネスの理解のためには、「市場(マーケット:Market)」というものを理解することがとても大切です。
「市場(マーケット:Market)」というのは、「お金や商品を交換して経済活動をするための場所」ということです。
「食品市場」のように実際にそういう場所がある場合もありますが、インターネットを介して商品とお金を交換するようなバーチャルな場合でも、そこには「市場」が存在することになります。
「市場」というのは「経済学」で扱われる分野ですので、ここでは詳しくは述べませんが、スポーツが「ビジネス」として成立するためには、この「市場」によって「スポーツから生み出された何かしらの価値がお金と交換される」、ということになります。
※交換するものは必ずしも「お金」である必要はないのですが、ここではわかりやすくするために「お金」としています。
「スポーツビジネス」をひとくくりにできないのは、この「スポーツから生み出された何かしらの価値」というものが、たくさんの種類があってまとめることができないからです。
以下の図をご覧いただきたいのですが、スポーツによって発生する「市場」はこのような構造になっているとされています。
スポーツは「する」「みる」「ささえる」という3つの側面があると言われますが、スポーツをする、みる、ささえる、という3つの行動を様々な人がすることによって、これだけ様々な「価値の交換」が行われるのです。
「スポーツ産業」の分類が難しい
スポーツビジネスを理解するにあたっては、「産業」というものを理解する必要があることはこのブログでも度々ご紹介していますが、
「産業」というのは簡単に言えば「仕事」のことです。
「ものをつくる仕事」であれば「製造業」、「ものを運ぶ仕事」であれば「運輸業」といったように定められています。
しかし、「スポーツの仕事」というのは、先ほどご紹介したように、スポーツを「する」「みる」「ささえる」といった3つの側面から生まれるものや、それらに対して提供されるものなど、実に様々なものがあるのです。
日本のスポーツ産業の研究においては、従来は、スポーツ産業を「スポーツ用品産業」「スポーツサービス・メディア産業」「スポーツ施設産業」といったように3つに分ける考え方や、その3つをもう少し細かくして、色々な領域をくっつけたものなどが提唱されてきましたが、現代では色々な分野が組み合わさったビジネスが登場してきていますので、ますます「スポーツ産業」を定義することが難しくなっています。
例えば、1990年代頃までは、「スポーツのメディア」といえば、テレビ(地上波)・新聞・ラジオがメインでしたが、現代では、インターネットを通じたライブストリーミングや衛星放送といったメディアがスポーツ配信のメインとなってきています。
また、最近登場してきた「暗闇フィットネス」や「高地トレーニングジム」といったものは、スポーツを通じた新たな価値を提供するビジネスであると言えます。
スポーツビジネスの現在地
これまで、スポーツの市場や、スポーツ産業といったことを簡単にご紹介してきました。
「これだけスポーツに関する仕事があるのであれば、スポーツ産業はどんどん伸びているのでは??」
と感じる方も多いと思いますが、残念ながらそうではないのが日本のスポーツ産業の現状です。
以下の記事で詳しく取り上げていますが、
スポーツ庁が発表した報告書によれば、スポーツ産業は伸びているどころか、落ち込んでしまっているのです。
特に落ち込みが多いのは「ゴルフ」や「テニス」、「スキー」といったスポーツに関する用品や施設の産業で、こうしたスポーツはどちらかと言うと年配の方が楽しむ傾向が見られ、若者をなかなか取り込めないことが課題だとされています。
日本では、2025年までに「スポーツ産業を15兆円にする」という目標を掲げています。
2013年時点の国のスポーツ関連予算は、「243億円」でしたが、2020年は「350億円」をスポーツ振興のために使うとされています。
国も、ここ10年くらいでようやく「スポーツの価値」を認めて、そのために「投資」をしようという運気になってきましたが、もっとスポーツが持つ価値を多くの国民や市民に広めていかないと、スポーツ産業を底上げすることはできず、スポーツビジネスで収益を得ることもできません。
また、2020年の東京オリンピックまでは、国のスポーツ予算が増え続けていくと思われますが、オリンピック以降もスポーツ予算が増え続けるかというと難しい面もあるかもしれません。
スポーツは「する」「みる」「ささえる」という側面があるとお伝えしましたが、それ以外にも、スポーツ誌や雑誌、ネットニュースなどを「読む」といったことや、スポーツに関連するグッズなどを「買う」、チームや選手に「投資する」など色々な消費の仕方や、個人個人の好みや行動があることから、様々なつながりを意識した商品企画やマーケティングが必要になってきます。
まとめ ~スポーツビジネスは課題だらけ~
今回は\「スポーツビジネス」が分かりにくい理由とは?複雑化する「市場」と「産業」/というテーマでお伝えしてきました。
この記事では、
✔ スポーツビジネスには、「スポーツを通じて作られた価値(スポーツ用品や試合など)」と、お金を交換したりする「市場」というものがある。
✔ スポーツに関わるそれぞれの仕事の分け方として「スポーツ産業」と言われているものがある。
✔ 「スポーツ市場」も「スポーツ産業」も様々な要因が重なり合って成り立っているため「これがスポーツビジネスだ!」と決めることが難しい
✔ スポーツビジネスやスポーツ産業は課題が多く、なかなか伸びていないが、だからこそ価値のあるものを届ければチャンス!!
ということをお伝えしてきました!
これからは、スポーツの様々な楽しさや感動、健康への貢献など、「お金をしっかり払ってでも欲しい!」という価値のあるものに変えていくことが大切なんですね!
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