「プロスポーツ選手になる」という職業選択を考える【高校野球を事例にして】

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ユウ
「スポーツやスポーツビジネスの魅力を多くの人に知ってもらいたい」という想いから当サイトを運営。スポーツビジネスを学びたい、携わりたいという人に向けて情報発信。大学教員として大学生にスポーツマネジメントを教えた経験もアリ。

今回は「スポーツに関わる仕事ってなにがある?」ということで、「選手として稼ぐ」ということを解説したいと思います。

「選手として稼ぐ」ということはイメージがしやすい反面、そこに至るまでのハードルが高く、本当に稼げる選手はごく一部にとどまります。

今回は、高校野球の選手を例として、選手として稼ぐために大切なことや考え方について解説していきます!

この記事で学べること

✔ スポーツに関する色々な「お仕事」がわかる

スポーツ選手として稼ぐ大変さが分かる

✔ 選手として顧客に提供できる「価値」についてわかる


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スポーツに関わるお仕事のイロイロ

スポーツに関わる仕事は大きく分けると以下のようになります。

自分がスポーツ選手になって「スポーツをする」ことで、稼ぐ

スポーツ選手の心身をサポートする仕事

スポーツ用品を作ったり、売ったりする仕事(スポーツ用品産業)

スポーツをする場所を作ったり貸したりする仕事(スポーツ施設産業)

スポーツを伝える仕事(スポーツメディア産業)

スポーツを運営する仕事(スポーツサービス産業)

国づくりや街づくりのためにスポーツを利用する仕事(スポーツ政策)

スポーツに関わるお仕事たち

では、今回は「自分がスポーツ選手になって「スポーツをする」ことで、稼ぐ」ということをご紹介します。

プロになるためには何千時間もの練習が必要

「選手として稼ぐ」ということは、「スポーツのお仕事」の中でも、非常に分かりやすい仕事になると思います。

プロ野球やJリーグ、Bリーグといったプロスポーツ球団に入団してプロ選手として活躍したり、ゴルフやテニスといった競技で大会に出て賞金を稼ぐといったことです。

しかし、これは仕事としては想像がつきやすいですが、実際に選手として生計を立てる(食べていく)ということはとても難しいです。

日本の高校野球の選手たちは、大体平均すると、3年間で4,000時間もの時間を練習や試合に費やしているそうです。

これはものすごいことです。

一般的に、新しい知識やスキルを身につけるためには、大体20時間くらいを費やせば中級者以上になれると言われています。

例えば、「プログラミング」をまったくできない人が、「20時間」必死になって「プログラミング」の勉強や練習をすれば、初心者から中級者くらいにはレベルアップできる、ということです。

日本の高校球児は3年間で4,000時間も練習しているのにも関わらず、プロになれるのは全国に数十人しかいません。

もし、3年間で4,000時間も英語の勉強をしたら、ほぼネイティブと変わらないくらいの語学力を身につけられるのではないでしょうか。

しかもスポーツの場合は、プロになれたからといって、その先に安定した収入が待っているとは限りません

20代前半で戦力外になってしまう選手も非常に多いのです。

それほど、「選手として食べていく」ということは過酷なことです。

何億円も稼げる選手であれば別ですが、そうした選手はほんの一部です。

スポーツビジネス」という視点で見た場合、「選手」というのは「商品」ではありません。

あの選手は年俸3億円で移籍した」などということをテレビ等でよく聞くことが多いですが、あくまでも「みせることによってお金を稼ぐ」というスポーツビジネスにおいては「試合」が最も重要な商品です。

「いい選手」がたくさんいても「いい試合」ができなければ商品としての価値が高まらないからです。

チームやクラブ同士のやりとりという意味では、「選手」「商品」と考えることもできます。

お金のあまりないクラブが、長い時間と手間をかけて育てた選手をお金持ちのクラブに移籍させる(売る)ということは、ビジネスとしては成立します。

ただし、スポーツクラブのビジネスの目的は「選手を売る」ことではありません。

スポーツクラブのビジネスの一番の目的は、「魅力のある試合をファンに届ける」ことです。

それを達成するために、選手を「売ったり買ったり」するわけです。

もし、「スポーツ選手として食べていく」ということを選ぶ場合は、自分のスキルや能力を高めていくことが大切であるのは当然ですが、「自分が試合に出ることによって、観ている人達にどれくらいの価値や感動を与えているのか」ということを考えてみるのも大切です。

なぜかというと、観てもらえないスポーツにはお金が集まらないからです。

選手として食べていけるスポーツ」というのは基本的には、テレビなどで試合を中継してくれるスポーツです。

試合を中継してくれるということは、観たい人がたくさんいるということです。

誰にもマネできないようなものすごいプレーができるとしても、それを観たいと思う人がいなければ、ビジネスにはなりません。

このように、「選手としての能力が高いほど試合が面白くなる」というのは必ずしもそうではなく、そこが「スポーツをすることによって稼ぐ」というスポーツビジネスの難しさであり面白さでもあります。

まとめ ~スポーツ選手は夢がある だが現実は過酷~

今回は、\「プロスポーツ選手になる」という職業選択を考える【高校野球を事例にして】/として、「自分がスポーツ選手になって、稼ぐ」ということをご紹介しました。

スポーツ選手として稼げる」というのは一般的には「スポーツをすることで生活ができる収入が得られる」ということになります。

プロ野球選手で、現役のときから野球以外の仕事も掛け持ちしている人はほとんどいませんし、サッカー選手でもJ3に所属するようなクラブの選手を除けば、基本的には「スポーツだけ」で生活ができる収入を得ることができます。

プロ野球選手の年俸は、1500万円前後が「中央値」とされています。
J1のクラブに所属するサッカー選手の場合は1200万円前後が「中央値」とされています。

つまり、大まかに言えば「プロ野球選手になれば大体1500万円くらいの年収を得ることができる可能性が高い」ということです。

しかし、「高校球児は3年間で4,000時間も練習しているがほとんどの選手はプロになれない」「プロ選手になれても、ほとんどの人は20代で引退してしまう(選手を辞めてからの人生のほうが長い!)

ということを考えると、「年収1500万円」という数字は決して高くはなく、むしろ「割に合わない」と考えてもいいでしょう。

もちろん、「スポーツ選手になる」ということは、「どれくらいのお金を稼げるか」という以外の魅力もたくさんあります。

だからこそ、「選手として成功するには、競技能力だけではなく、「観てくれる人や応援してくれる人に、どんな価値を与えられるか」、ということが今後はますます大切になってくるのですね!


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